京浜盃(3月25日 大井 サラ3歳 定量55kg SII 1700m)
「京浜盃」は78年創設。以後31年、ほぼ一貫“名馬の登竜門”として重要な役割を担ってきた。古くはサンオーイ、ホスピタリテイ、ロジータ、近年ならキャニオンロマン、トーシンブリザード、シーチャリオット…。大井外コース1700m、多くの年は、ここで春の主役、クラシック勢力図が確定する。逆説的に言えば、京浜盃波乱の年は、おおむね世代レベルに胸が張れない。
(1)…実績を素直に信頼。1番人気[6-2-0-2]はそのまま数字通りの重みがある。京浜盃優勝馬は、羽田盃5勝、東京ダービー4勝。フロック(一過性)の勝利は考えにくい。
(2)…船橋所属馬優勢。過去伝統的には地元大井が強かったが、近10年に絞ると船橋=7勝、2着2、断然の感がある。川崎=1勝、2着3も、出走頭数比からはまずまずか。
(3)…ぶっつけでも大丈夫。その年初戦だった馬が、トーシンブリザード、トップサバトンなど3頭優勝し、2着も3頭。大半が川崎「全日本2歳優駿=GI」から直行している。
(4)…末脚勝負型に注目。近10年の連対馬は、逃げ=3、先行4、差し=8、追い込み=5。一本調子、奥行きのないスピード馬は、ここで脱落のケースが目立つ。
※データ推奨馬
◎ナイキハイグレード…前走GI・3着、実績断然といえる船橋所属馬で追い込み型。「ハイセイコー記念」優勝馬不振は意外だが、実は出走ケース自体がほとんどない。
○シャレーストーン…こちらも船橋所属、強力な末脚を武器とする。前走浦和「ニューイヤーC」2着。今回半信半疑が予測され(3〜5番人気)、馬券的に妙味が浮かぶ。
▲ガイアボルト…地元大井の成長株。前々走1800m経験(7馬身差圧勝)はやはり大きい。ゴールぎわの混戦を捌けそうな切れとガッツ。血統的にも奥行きがある。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ナイキハイグレード
(55・戸崎)
○シャレーストーン
(55・酒井)
▲ノーステイオー
(55・左海)
△ワンダフルクエスト
(55・川島)
△ガイアボルト
(55・的場文)
△グレートカフェ
(55・繁田)
△サイレントスタメン
(55・金子)
サザンクロスラリー
(55・山田信)
シュバレスク
(55・張田)
ワタリシンセイキ
(55・今野)
実績上位馬、期待馬が順調に駒を進め、登竜門らしいハイレベル。ただ道営出身馬は大半が早くから使い込まれ、成長力に微妙な部分があるとも思う。いずれにせよ、船橋生え抜き・ナイキハイグレードには、ここですっきり勝ってほしい。「ハイセイコー記念」圧勝、GOサインから弾けるような瞬発力。前走「全日本2歳優駿」3着。当時◎に推した筆者としては不満もあるが(最後の伸びなど)、レース自体正攻法で、収穫の方がおそらく大きい。父アグネスタキオン、母は名牝。理想は好位から横綱相撲か。それができれば、トーシンブリザード、シーチャリオットの跡を継げる。
相手選びが難しい。スピード能力でノーステイオー(鎌倉記念・大差勝ち)、上昇度でシャレーストーン(出遅れたニューイヤーC・1/2差2着)。前者はかつてのアローセプテンバーを連想させ、後者はアンパサンドあたりと雰囲気が似ている。道営同士で5戦5勝(門別・北海道2歳優駿3着)、今季川島正行軍団に加わったワンダフルクエストも、もちろん注目。以下、父ホワイトマズルの成長株・ガイアボルト、末脚にみどころがあるサイレントスタメン、グレートカフェ…。正直印がつけきれない。当日のパドックで◎ハイグレードが納得のいく仕上がりなら、同馬中心に気配で絞る。