羽田盃(4月22日 大井 サラ3歳 定量 SI 1800m)
南関東クラシック第1冠目。「羽田盃=1800m」→「東京ダービー=2000m」→「ジャパンダートダービー(JpnI)=2000m」と定着したのは02年からだが、以後3冠はともかく、ナイキアディライト、シーチャリオットが2冠達成。いったん築かれた力関係は、それが一定レベル以上である限り、そう簡単に崩れない。例年、「京浜盃」上位組の評価が大きなポイント。当初、桜花賞馬ネフェルメモリーの予備登録があったものの、結局今回はおあずけの形になった(5月14日・東京プリンセス賞目標)。まあしかし、お楽しみは後がいい…という言葉もある(代わりにNo.2モエレエターナルが強気の挑戦)。
(1)…人気馬を信頼。1番人気[4-2-1-3]、2番人気[3-4-1-2]、そのワンツーが3度ある。昨年ニックバニヤン(11人気)がディラクエ(単1.2倍)を下したが、基本は堅め。
(2)…船橋対大井の図式。船橋=5勝、2着3、大井=4勝、2着4。川崎は1勝、2着3とやや分が悪い。船橋5勝は、シーチャリオット(単1.0倍)を筆頭に、すべて前評判の高かった馬。
(3)…京浜盃好走組が有力。とりわけそこを1番人気で勝った馬は〔4-1-0-0〕と絶対に近い数字を残す。大井外コース1700→1800m。ほぼ同条件だけに、変動がなくて当然ともいえる。
(4)…先行型有利。過去10年連対馬は、逃げ=6、先行=5、差し=6、追い込み=3。純然たる直線一気(4コーナー10番手以降)は、04年トキノコジローを除いて例がない。
(5)…牝馬は苦戦。かつてロジータなど4頭優勝馬は出ているものの、前10年に限ると5、8、13、12、14、12着。路線が違ってきたこともあり、近年は出走ケース自体がまれになった。
※データ推奨馬
◎ナイキハイグレード…1番人気確定の船橋所属馬。先行力も身についた近況で、データ上は死角らしい死角がない。トーシンブリザード、シーチャリオットらの先達にどう迫るかが今回テーマ。
○スーパーヴィグラス…メンバーを改めて見直すと、“先行馬不在”に少し驚く。昨年ニックバニヤンの役を務める可能性。今季乗れている柏木J鞍上で、ホームの利をフルに生かせば…。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ナイキハイグレード
(56・戸崎)
○シャレーストーン
(56・酒井)
▲ガイアボルト
(56・的場文)
△モエレエターナル
(54・今野)
△ワタリシンセイキ
(56・坂井)
△シュバレスク
(56・張田)
△ワンダフルクエスト
(56・左海)
スーパーヴィグラス
(56・柏木)
ディアテクノバトル
(56・御神本)
ナイキハイグレードが第1冠を突破する。4月5日・中山「伏竜S」。3段論法ながら、結果ハイグレードの能力がはっきり証明されたレースと思う。スーニ→ナサニエルの決着。言わずもがな昨暮れ川崎「全日本2歳優駿」1、2着馬で、当時ハイグレードはいかにもキャリア不足を思わす3着だった。心身とも成長途上、そう考えれば、血統背景も含め、今季“不動の主役”でいいだろう。柔らかそうな馬体、バネのきいた走法。案外辛勝という「京浜盃」は3か月ぶり、道中カカったことが大きいか。父アグネスタキオン。タメがきけばもっと弾ける。
ただし、シャレーストーンも道営転入から充実一途。京浜盃は外々を回るロスがあり、最後頭差。ごく客観的にハイグレードとまったく互角の内容だった。再び相手を見ながら競馬ができるアドバンテージ。筋肉質のハイグレードと較べ、シャレーは細身、手脚のすらりと伸びた体型で、距離延長のメリットはむしろこちらにあるかもしれない。ガイアボルト、ワタリシンセイキ、シュバレスクは、京浜盃4〜6着、優劣のつけ難い接戦だったが、中ではまだキャリアが浅く、父ホワイトマズルの背景を持つガイアボルトに上積みをイメージした。桜花賞2着モエレエターナルは、外見をはるかに超えた逞しさがあるが、今回牡馬相手、初コース1800m、条件はさすがに厳しい。仮にここで好勝負を演じれば、世代牝馬自体のレベルも相当高いと納得する。羽田盃2着スーパーヴィグラスは、本質的にレース上手のマイラーと考えた。
馬券は、オッズが3倍あれば、ナイキハイグレード=シャレーストーンの馬複1点。馬単なら、シャレー→ハイグレード、記者自身は“裏目”にも食指が動く。3連単は、ハイグレード、シャレーを1、2着に固定し、3着ガイアボルト、モエレエターナルの4点勝負。いずれにせよ、◎○の2頭には、東京ダービー、ジャパンダートダービー、夢のつながる競馬を期待したい。