かしわ記念(5月5日 船橋 サラ4歳以上 定量 JpnI 1600m)
「かしわ記念」は96年から交流G移行、その第1回をヒカリルーファスが逃げ切った。父ノーリュートの快速馬。前年クラシックで、コンサートボーイ、ジョージタイセイとともに“3強”を形成し、3頭それぞれ個性が違ったからか、当時のシーン(勝ったり負けたり、一戦ごとに評価が揺れた)は、今も記憶に新しい。ともあれ、以後さまざまな歴史を経て、05年GI昇格。年を追うごとに出走メンバーの質が上がり、今年はいよいよ最高潮の感がある。付け加えるなら、「船橋1600m」はきわめてオーソドックスなコース形態で、元より“マイル王決定戦”にふさわしかった。
(1)…1番人気を信頼。過去10年、1番人気[4-3-0-3]。相手も順当なケースが多く、1〜3人気同士の“3連複”が4度決まった。そのうち“3連単”ワンツースリーも2度ある。
(2)…JRA対船橋。JRA=6勝、2着6、船橋=4勝、2着4。これは昨今の力関係を象徴するが、話を3着まで広げても、他3場(他地区含め)の好走例が見当たらない。
(3)…GI馬が強い。出走15頭[4-6-1-4]。メイショウバトラーはじめ凡走例はあるものの、逆に、当時距離不足と思われたタイムパラドックス(05年2着)などは底力を示している。
(4)…差し有利。連対馬は、逃げ=4、先行=3、差し=12、追込=1。おおむねハイペースで流れ、ゴール際逆転が少なくない。昨年はボンネビルレコードの直線一気。
※データ推奨馬
◎カネヒキリ…当たり前すぎて申し訳ない推奨馬。ただし同馬は1番人気確定のJRA馬、しかもGIを7勝している。相手に応じて自在。初コース体験も、過去、大井、盛岡、川崎、何度となく克服している。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎カネヒキリ
(57・内田博)
○ボンネビルレコード
(57・的場文)
▲エスポワールシチー
(57・佐藤哲)
△フリオーソ
(57・戸崎)
△フェラーリピサ
(57・岩田)
△ディープサマー
(57・川島)
△ゼンノパルテノン
(57・武豊)
アジュディミツオー
(57・三浦)
フサイチジャンク
(57・張田)
そのカネヒキリで力通りだ。昨秋からJCダート→東京大賞典→川崎記念とGI・3連勝。屈腱炎克服…は過去の例から奇跡に近く、陣営の努力、執念はもちろん、馬自身の精神力、闘争心に脱帽する。同馬の強さ。3〜4歳、絶頂期との比較は微妙だが、あえて“今”を表現するなら“野太い”という言葉が当たるか。GOサインをじっくり待てるレースぶりなど、いい意味で枯れてきたこと。そう思えば、前走フェブラリーS・3着は久々のJRAマイル、忙しすぎたと納得できる。前述通り初コースは再三軽々とクリアしてきた。中間の乗り込みもきわめて入念。アクシデントがないことだけを祈りたい。
相手探し。ハイペースの展開、さらに的場文Jとの相性でボンネビルレコードに期待した。昨年はブルーコンコルド、ワイルドワンダーを直線ひと呑み。続く日本テレビ盃も含め、地方の馬場、的場鞍上でとにかく切れる。現南関東王者フリオーソは、本質的に中〜長距離型だろう。絶対能力で善戦は可能だが、行き切れない流れだと持ち味が減殺する。それなら、前走2番手から差す進境をみせたエスポワールシチーが、一つ上にランクできるか。同馬は父ゴールドアリュール。スマートファルコンと並ぶ代表産駒に成長している。器用に動けるフェラーリピサ、ディープサマーが連下級。アジュディミツオーは、前走一人旅でロイヤルボスに差されたあたり、三浦Jでも正直食指が動かない。最後の△はゼンノパルテノンに振った。前走東京スプリントを勝ったが、戦歴、レースぶりからは1600mでも減点がない。