大井記念(5月13日 大井 サラ4歳以上 別定 SII 2600m)
南関東における最長距離重賞。レース名通り発祥は最古に近く(東京ダービー、東京大賞典に次ぐ第54回目)、過去、テツノカチドキ、ハシルショウグン、アブクマポーロ、いわく“殿堂級”の名馬がファイルに並ぶ。それだけではない。さらに時を遡ればカツアール、ミサキネバアー。この2頭は後にJRA移籍、「天皇賞・春=3200m」で好勝負を演じてみせた。何度か書いた持論だが、記者自身は「長距離戦をもっと大事に…」といつも思う。長距離を走った経験で、“地力”が大きく蓄えられること。具体的には同レースを「SI・定量」としたらどうだろう。例えば「帝王賞」をめざすフリオーソは本質的にステイヤー。「かしわ記念」ではなく、ここをステップにする戦略も考えられた。
(1)…波乱含み。1番人気[3-0-2-5]はいかにも頼りなく、逆に2番人気[3-3-0-4]、3番人気[2-3-1-4]の方に妙味がある。予想紙でいうなら○▲あたりが軸。
(2)…大井優勢。ホーム大井=8勝、2着4、3着8。伝統的なものもあるか、大井勢に気合が入る。船橋=2勝、2着6、3着2。川崎勢は不思議なほど好走例がない。
(3)…差し馬注目。過去10年、連対馬は、逃げ=2、先行4、差し13、追込1。特に近年は“長距離の逃げ馬”がふるわない。昨年は一気に捲ったコウエイノホシが優勝。
※データ推奨馬
◎コウエイノホシ…昨年優勝。地元大井、道中スローなら捲りも打てる追い込み馬。叩き2戦目の良化しだいだが、データ上は連覇の可能性がそろっている。記者予測では、今回半信半疑の3〜4番人気。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎バグパイプウィンド
(57・的場文)
○ルースリンド
(57・今野)
▲コウエイノホシ
(57・戸崎)
△フリートアピール
(56・御神本)
△クレイアートビュン
(56・張田)
△ライジングウェーブ
(52・酒井)
△ロングウェーブ
(52・繁田)
マズルブラスト
(57・石崎駿)
ケイアイプラネット
(54・吉田稔)
トーセンベルボーイ
(54・坂井)
ピエールバスター
(52・真島)
バグパイプウィンドの成長力に期待した。久々に現われた大井生え抜きのスター候補。それも帝王賞、東京大賞典をめざせる中〜長距離の本格派だけに夢が大きい。前々走「金盃」は、緩みのない流れを3〜4コーナー自ら動く正攻法。最後ルースリンドに詰め寄られたが、相手は交流Gの常連で、自身は重賞自体が初挑戦。首差凌いだ点に絶大な価値がある。父テイエムオペラオー、いかにもステイヤー然とした馬体と走法。前走「ゆりかもめオープン」取りこぼし(1馬身差3着)は、ここへワンステップと納得したい。大井記念―的場文騎手に力の入る(過去8勝)レースでもあるだろう。
そのルースリンドは、8歳馬ながら依然“円熟期”が続いている。金盃2着後、交流GII「ダイオライト記念」5着。結果はともかく、向正面からフリオーソ相手に捲ったあたり、能力も闘志も落ちていない。昨年、一昨年とこのレース2、2着。実績、格をとるなら、文句なく最有力だ。昨年の覇者コウエイノホシは、久々を叩いて(ダイオライト・10着)良化しだい。当時続く帝王賞も3着だから力の裏付けはある。うまくマイペースに落としてフリートアピールの逃げ。ロングウェーブ、ライジングウェーブら上昇馬も、恵まれた52kgで一角崩しが浮かぶ。