川崎マイラーズ(5月20日 川崎 サラ3歳以上 別定 SIII 1600m)
川崎スパーキングナイター、各開催に呼びものを網羅しようという新設重賞。「さきたま杯=JpnIII」を翌週に控え、低レベルを懸念されたが、いざメンバーが出てみるとそれなりに悪くなかった。フレッシュな顔ぶれ。“A1”だけではフルゲートにならず、結果、上昇馬、成長株に、力試しのチャンスが与えられた。現南関東の勢力図。フリオーソなど、ごく一握りを別にすると、明らかに“新旧交代”の流れがある。たとえば先週「大井記念」、A2ライジングウェーブの優勝。同馬の場合、出走自体が滑り込み(A1馬回避)で、しかし結果は横綱相撲に近かった。短〜マイル路線なら、さらにその傾向(昇り馬優勢)が強まるはず。しかも彼らには“恵量”の味方がつく。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ノースダンデー
(55・左海)
○ロイヤルボス
(58・張田)
▲アンパサンド
(59・御神本)
△マンオブパーサー
(59・戸崎)
△トーセンラヴ
(55・酒井)
△アートルマン
(55・的場文)
△エースオブタッチ
(55・佐藤博)
ベルモントサンダー
(57・石崎隆)
アントニオマグナム
(57・今野)
ドリームスカイ
(59・水野)
ミスジョーカー
(53・本橋)
ノースダンデーの勢いをそのまま買った。昨秋10月からカムバック、以後6戦4勝(すべて1600m)の快速マイラー。2歳時「平和賞」制覇。単なる上昇馬というより、本格化という言葉が適切で、ことごとくハイペースを徹底先行、直線二の脚、三の脚を伸ばしている。前々走「きさらぎ特別=川崎1600m」、1分39秒4の快時計。当時ロイヤルボスに3馬身差完勝だから、現在“A2”でも格下感はまったくない。まさしく条件ベストの新設重賞。実績上位馬がかなり辛い斤量だけに、自身55kgは恵まれた。父ダンシングカラー(JRA芝3勝・日本ダービー3着)とは少し渋いが、こういう種牡馬から思わぬ活躍馬が出るのも、ある意味、地方競馬の面白さか。
ロイヤルボスは、前走大井「マイルグランプリ」快勝。一人旅のアジュディミツオーを直線力強くねじ伏せた。相手に衰えがあるにせよやはり金星。同時に自身目標が固まった(マイル路線)点も大きいだろう。540kg台、パワフルな馬体と走法。58kgも十分こなすイメージがわく。
同世代アンパサンドは本来一枚格上(東京ダービー・報知オールスターC勝ち)だが、体質にひ弱さを抱え、今回も4か月半ぶり放牧明け。絶対能力、競馬センスでどう補うか。相手との比較上59kgは楽ではない。
JRA・4勝(うち地方1勝)で転入、「金盃」3着(約1馬身差)のマンオブパーサーも、まだ確固とした結果が出ていないわりに重斤を背負わされた。それなら、気楽に乗れそうなアートルマン、トーセンラヴの追い込みに魅力があるか。ベルモントサンダーは前2走大敗から復調途上。大穴には、1600mのOP・2勝、ハマって切れるエースオブタッチを抜擢した。