ジャパンダートダービー(7月8日 大井 サラ3歳 定量 JpnI 2000m)
「ジャパンダートダービー」は、99年から施行時季、位置付けとも、ほぼ現在の形に固まった。「羽田盃」→「東京ダービー」→「JDダービー」の3冠路線。ただし、“接戦”“好勝負”というより、勝ち馬ワンサイドのケースが案外多く、それは必ずしも力関係と一致しない。能力+大井コースへのフィーリング――。結論づければそうなるか。00年アグネスデジタル(1人気・14着)など、今ふり返ってもやはり不思議な大敗だった。
(1)…軸は人気馬。1番人気[5-1-1-3]。前述アグネスデジタルの凡走は
あるものの総体的にやはり強い。2番人気[2-1-1-6]、3番人気[2-4-1-3]。後者の高率は注目できる。
(2)…JRA優勢。JRA=7勝、2着6。地方馬の勝利は、トーシンブリザード、フリオーソなど、一握りの素質馬に限られる。他地区馬は、北海道と岩手、3着が2頭あっただけ。
(3)…絶対の基準レースが存在しない。全日本2歳優駿勝ち馬[2-1-1-5]、東京ダービー[2-1-1-2]、ユニコーンS[1-1-1-1]。数字上は、どれも信頼感を欠いている。
(4)…先行馬有利。連対20頭、その内訳は、逃げ=4、先行=8、差し=7、追込み=2。道中前々を進み、そこから二の脚が使えるタイプ。これは大井2000の鉄則でもある。
※…データ推奨馬
◎ゴールデンチケット…ひとまずデータ(1)〜(4)、すべての面で合致する(記者推測・スーニ、シルクメビウスに次ぐ3番人気)。自然流に先行、そこからもうひと脚使うイメージ。鞍上はこのレースを3勝している。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ゴールデンチケット
(56・武豊)
○スーニ)
(56・内田博
▲サイレントスタメン
(56・金子)
△シルクメビウス
(56・田中博)
△グロリアスノア
(56・小林慎)
△テスタマッタ
(56・岩田)
△ワンダーアキュート
(56・小牧太)
アラベスクシーズ
(56・宮崎光)
トウホクビジン
(56・吉井友)
JRAから6頭。例年以上、これでもか…とばかりの強豪が集結した。地方競馬記者としては、手放しで喜べるかどうか、何やら複雑。ともあれ、◎ゴールデンチケットは、その6頭中、“大井2000m”に最も適性を感じさせる。デビュー5戦目、船橋交流(1600m)で未勝利を脱し、続くGIII毎日杯2着、一気にスターダムへ昇った経緯。スーニを一騎打ちで退けた前々走園田「兵庫CS=1870m」も、終始目標にされながら上がり36.3秒。展開による金星ではけっしてない。日本ダービーからの出走馬は、ゴールドアリュール、サクセスブロッケンと2頭優勝。比較してやや地味なイメージだが、充実度を含め能力レベルはほぼ互角か。外枠(13頭・12枠)も、相手を見ながら乗れるぶん追い風だろう。
スーニの減点材料は、やはりコースと距離にある。ひと捲りの全日本2歳優駿、出遅れを追い上げた伏竜S、確かにズバ抜けた瞬発力だが、いかにも切れすぎるレースぶりと激しい気性。早熟マイラー…という懸念もないではない。ユニコーンSをワンツーのシルクメビウス、グロリアスノアは、完成度で前者、素質で後者。ただ東京ダービー馬サイレントスタメンも、それなりのレベルと決定打(個性)を持っており、ホームの利を合わせ、あえて▲にとりあげた。テスタマッタは、スロー〜平均ペースになって折り合いがどうか。むしろワンダーアキュートのしぶとさが大井2000向きか。