スパーキングレディーC(7月15日 川崎 サラ3歳以上牝馬 別定 JpnIII 1600m)
「スパーキングレディーC」は、98年から交流G移行。その第1回をホクトロビン(船橋・5番人気)が勝ち、しかし以後、ファストフレンド、プリエミネンス、レマーズガール…など、JRA絶対優勢で流れてきた。今回、ユキチャン補欠(第3位)の状況からみても“JRA・4頭=精鋭”は、ごく自然にイメージできる。この時季らしく「道悪・高速馬場」が多いのが一つ特徴。1600m1分39秒前後の決着で、スピードと切れが要求される。
(1)…上位拮抗。おおむね人気馬が強いが、1人気[2-5-1-2]に対し、2人気[3-1-3-3]、3人気[4-0-0-6]と互角以上。馬単、3連単なら“裏目”に妙味か。
(2)…JRA優勢。JRA=8勝、2着7。しかもワンツー6度、ワンツースリーが3度ある。地方2勝はいずれも船橋。他では東海勢から、2、3着がそれぞれ1頭。
(3)…3歳馬注目。トータル[1-1-0-14]と確率はけっして高くないが、直前「関東オークス」優勝馬の連対が2例ある。これは別定52〜54kgの有利さだろう。
(4)…好位差し。連対20頭のレースぶりは、逃げ=3、先行=5、差し=10、追込み=2。前述通り速い時計の決着が多く、道中前々が条件になる。
※…データ推奨馬
◎ラヴェリータ…関東オークス馬。最後5馬身差、余裕残しの圧勝で、過去連対したプリエミネンス、レマーズガールと較べてもインパクトがきわめて強い。先行差し、相手なりに動く自在性。今年は1番人気が期待に応える。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ラヴェリータ
(54・岩田)
○メイショウバトラー
(56・武豊)
▲ヤマトマリオン
(57・幸)
△シスターエレキング
(55・桑島)
△ベルモントプロテア
(55・石崎駿)
△クィーンオブキネマ
(56・内田博)
△アンペア
(52・的場文)
トキノミスオース
(55・坂井)
ミスジョーカー
(55・本橋)
ラヴェリータが、ここで“新女王”の座を奪うだろう。関東オークスは完璧な先行抜け出し。2分15秒5は歴代2位の快時計で、道中スローを思うと絶大な価値がある。終始スムーズに折り合い、GOサインから鋭い反応。高いスピード能力はもちろん、イメージ以上の競馬センスに驚かされた。元よりダート5戦4勝、内1つが1400mレコード(阪神)だけに、本質快速型は論を待たない。フィーリングの合う川崎コース、3歳馬ゆえ恵まれた別定54kg。鞍上はやはり、地方ダート交流戦で格別の腕をみせる。
メイショウバトラー、ヤマトマリオンの比較は、マイル適性で前者をとった。9歳夏、しかし前走マリーンC(船橋・1600m)完勝で健在アピール。このレース、前2年1、2着の実績があり、遡ってJBCマイル、ブルーコンコルドの2着など、川崎コースに絶対の自信を持つ。対してヤマトマリオンは、本来少し忙しいマイル戦をどう乗るか。勝ちに行く競馬をすると、逆に最後甘くなる危険もある。
地方勢は厳しいが、可能性があれば、現実にエンプレス杯でマリオンを退けたシスターエレキング。一本調子、もまれ弱そうにみえながら、ここ一番で踏ん張るあたり、父アグネスデジタルの意外性か。
もう1頭ベルモントプロテアは兄姉が活躍した南関東血統。JRA・5勝、前走転入初戦マリーンC・5着なら良化しだいで脈が出る。内田博・クィーンオブキネマは、JRA・5勝すべて1400m以下。ラヴェリータ、パトラーの脚質を考えると、展開的にも楽ではない。