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サンタアニタT・展望

  • 2009年07月20日(月) 13時49分
 サンタアニタT(7月22日 大井 サラ3歳以上 ハンデ SIII 1600m)

 「サンタアニタT」は今年第30回目。95年=第16回まで「関東盃」の名称で行われてきた。昭和臭い…何やらそう言われそうなタイトルだが、オールドファンにはやはりそちらがしっくりくる。当時はまだダートG未整備で、重賞数そのものも多くなかった。ハンデ戦ながら毎年ビッグネームがしのぎを削り、例えばテツノカチドキ、ガルダン、ジョージモナーク、今でいうGI級が力の競馬で勝っている。比較して近年は、正直“薄味”だろうと思う。活躍馬は総じてデキのいい軽いマイラー。もっともそれは現南関東馬の層の薄さ、そっくり裏返しでもあるのだが。

 (1)…近年平穏。1番人気[5-2-0-3]。掲示板を外したのは05年ケイアイミリオン(9着)だけで、おおむね実績と勢いが信用できる。2番人気[1-4-1-4]も悪くない。

 (2)…大井優勢。昨今重賞で分の悪い大井だが、いくつか相性のいいレースもある。過去10年で7勝、2着4はホームの意地か。他で好成績は、船橋=2勝、2着6。

 (3)…中ハンデ馬。54.0〜56.5kg=8頭優勝、2着8。トップハンデは03年コアレスハンター(57kg)が勝っただけで、信頼度は高くない。ただ53kg以下の軽量馬も[1-1-3-25]と低調。

 (4)…高齢馬が穴。各世代からほぼ万遍なく連対馬が出ているが、強いていえば、8歳=1勝、2着2が特筆できるか。3頭とも比較的人気薄だった。00年はトウケイメモリー(9歳)が2着。

 ※…データ推奨馬

 ◎ベルモントサンダー…傾向がつかみづらいが、データ(2)、(4)に注目して同馬をとった。重賞2勝、それにしては手ごろなハンデ。“ベルモント”所有馬が、1勝、2着2という相性のよさもある。石崎駿Jは、前2年、ベルモントノーヴァで4、3着。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

◎コウエイノホシ
(57・今野)
○ブルーホーク
(54・坂井)
▲クレイアートビュン
(56.5・的場文)
△ベルモントサンダー
(56.5・石崎駿)
△ロイヤルマコトクン
(54・御神本)
△マンオブパーサー
(56.5・石崎隆)
△ロングウェーブ
(53・桑島)
グレイトセイヴィア
(52・町田)
スナークファルコン
(56・柏木)
ニックバニヤン
(55.5・張田)

 ごくストレート、力通りの予想とした。コウエイノホシは、前走「武蔵野オープン=1600m」圧勝、マイルグランプリの覇者ロイヤルボスを9馬身ちぎっている。3〜4コーナーひと捲り、他馬が止まったかのような爆発力で、まさしく別次元を思わせた。昨春帝王賞GI・3着。本来忙しいマイルだが、備えているエンジン、性能が根本的に大きく違う。中間一頓挫あったこと(軽い挫石)、鞍上初コンビになること。不安材料はないでもないが、反面実績を比較してハンデ57kgは明らかに恵まれた。南関東ダートで開花した典型例と判断する。いったん流れに乗ってしまえばいい脚を長く使う。

 素質、能力で唯一太刀打ちできるブルーホーク。[11-2-0-3]は下級条件が多いにせよ価値があり、前走東京大賞典も、ケレン味なく逃げて見せ場を作った(自身上がり36.6秒)のだから傷にならない。この顔ぶれで1600mなら自在に構えて好勝負。前走乗ったコウエイノホシ、しかしあえて同馬にこだわった坂井Jの判断にも興味が沸く。ブラックホーク×ロイヤルスキー。なるほどスピードの絶対値、距離適性というなら、こちら上位の見方もある。

 3番手以下は序列に迷う。距離万能、順調さでクレイアートビュンをとったが、逆に使い詰めの疲労、詰めの甘さ…など、強調できない部分もある。前述データで推奨したベルモントサンダー、思い切った逃げを打ちそうなロイヤルマコトクン。仮にコウエイノホシが不発だと、レース巧者マンオブパーサー、混戦で切れるロングウェーブ、さらに1600m6勝の上昇馬グレイトセイヴィアまで浮上が浮かぶ。順当か大波乱か、馬券的には“両面作戦”の手もある。印はつけ切れなかったが、このレース4勝、張田J=ニックバニヤンも穴で一考。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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