黒潮盃(8月12日 大井 サラ3歳 別定 SII 1800m)
「黒潮盃」は、99年から4月→8月と施行時季変更(98年・第32回まで羽田盃直前TR)。当然ながらレースの性格が大きく変わった。秋へ向け再始動するクラシック上位組、対して春後半から力をつけた上昇馬が激突する。一つ象徴的、理想的な形といえば、05年ボンネビルレコードの快勝か。同馬は東京ダービー4着、ジャパンダートダービー3着。ここで成長をアピールし、以後帝王賞制覇など超A級まで昇りつめた。
(1)…1番人気安定。1人気[2-3-2-3]は水準程度の数字だが、着外3頭中、2頭が4着。まず大きくは崩れない。
(2)…大井VS船橋。大井=5勝、2着5、船橋=3勝、2着5と断然優勢。他では川崎=1勝、東海(笠松)=1勝がある。
(3)…上昇馬注目。連対20頭中、10頭までが、前走1〜2着という成績で臨んでいる。それ以外の連対馬はおおむねクラシック経験組。
(4)…差し有利。連対20頭は、逃げ=3、先行=5、差し=10、追込み=2。伝統的には逃げ馬注意のレースだが、近年は差し馬に分がある。
※データ推奨馬
◎ツクシヒメ…ぴたり合致する馬は見当たらないが、船橋勢が強いこと、牝馬クラシック組が活躍すること(99年ヤマノリアル、04年アイチャンルックともに2着)。脚質(差し)的にもイメージが合う。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ブルーヒーロー
(56・真島)
○ツクシヒメ
(54・山田信)
▲ブルーラッド
(58・御神本)
△ライトレジーナ
(54・酒井)
△ハローキングダム
(56・的場文)
△カラテチョップ
(57・木村健)
△アンビシャスガイ
(56・水野)
サザンクロスラリー
(56・町田)
ホッコーマサル
(56・戸崎)
パラダイスデイ
(56・岡部誠)
シュバレスク
(56・張田)
ブルーヒーローには、文字通り足固めというレースになった。東京ダービー2着。ネフェルメモリー、ナイキハイグレード、ハイペースで先行する2強目標にレースを進め、あと100mでいったん先頭、最後の最後、漁夫の利(サイレントスタメン・大外強襲)をさらわれた。シーロ×カコイーシーズ、パワーと持続力に優れる中〜長距離型。キャリア7戦、大事に使われてきた経緯からも、今後は交流グレードの期待が浮かぶ。中間ジャパンダートダービーを見送り、入念な調整ぶり。この相手なら、自ら動く力の競馬で勝ち切りたい。
ブルーラッドは、同じ足立勝久厩舎。ブルーヒーローの叔父にあたり、前々走東京湾C(船橋1700m)ではヒーローを完封した。ただこの2頭、きわめて近い血筋ながらタイプが違い、ラッドは軽い馬場の時計勝負、切れ味勝負に向いている。別定58kg(唯一重賞勝ち)も、競り合いになって響きそうだ。
それなら牝馬ツクシヒメ、ライトレジーナ。中でも前者は関東オークス2着、すでに世代一線レベルへ到達している。早めに仕掛けてバテないパワー。大井1800mは最も特長が生きてくる。ライトレジーナは6戦4勝の上昇馬で、牡馬の成長株ハローキングダムとともに、今回試金石の見方だろう。
園田カラテチョップは前走「兵庫ダービー」を制したが、全国レベルで評価が分かれる。すんなり逃げてサザンクロスラリー、逆に混戦でアンビシャスガイが穴。