トゥインクルレディー賞(9月16日 大井 サラ3歳以上牝馬 ハンデ SII 1600m)
純白のアイドル・ユキチャンが南関東へトレードされた。川崎・山崎尋美厩舎。同馬は、昨夏「関東オークス」圧勝。しかしそれから、クイーン賞(2着)、エンプレス盃(6着)、マリーンC(6着)など伸び悩み、今後牝馬交流G出走も危ぶまれる状況(賞金不足)になっていた。南関東所属ならフリーパス。突然のニュースで正直なところ驚いたが、昨今の競馬事情を思えば、そうかその手もあったか…と納得できる。南関ファンとしてはごく素直に朗報だろう。
ユキチャンは前述通り関東オークス圧勝。しかも当時2分14秒7レースレコード(今年ラヴェリータ=2分15秒5)だから単なるアイドルホースではない。昨秋以来ハマってしまったトンネルをどう脱出するか、山崎厩舎スタッフの情熱と腕にかかってくる。「スタートがひと息で、まずゲート練習。あと皮膚と爪が弱いから、そのあたりもしっかりとケアしたい」(尋美調教師)。いずれにせよやりがいのある、大きな仕事が回ってきた。順調に仕上がれば、10月21日大井「TCKディスタフ」から始動と聞く。南関東牝馬路線、思いがけない形でビッグスターが現われた。
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(1)…近年は荒れ模様。1番人気[2-3-2-3]と頼りなく、2番人気[0-2-3-5]も波乱傾向を裏書きする。強いていえば、3番人気[2-1-1-6]に妙味。
(2)…船橋VS大井。船橋=5勝、2着4、大井=5勝、2着4。あとは川崎=2着2で、2場所優勢がはっきりしている。勝ち馬が3年続く傾向からは、今回船橋。
(3)…成長株注目。4歳=4勝、5歳=3勝、3歳=2勝。6歳以上は[1-0-1-30]と確率がきわめて低い。昨年7歳トーセンジョウオーが1番人気で大敗。
(4)…軽量馬注意。53kg以下が4勝、2着3。対してトップハンデ馬は[0-3-2-8]と信頼度が薄い。逃げ=4、先行=6、差し=6、追込み=4。近年は差し馬優勢。
※データ推奨馬
◎ツクシヒメ…ピタリくるデータともいえないが、3歳馬の勢いと妥当なハンデ。何より自在脚質が頼りになる。父カコイーシーズからは01年ナミが優勝。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ツクシヒメ
(55.5・山田信)
○ベルモントプロテア
(56・石崎駿)
▲フサイチミライ
(53・今野)
△デザートレジーナ
(55.5・戸崎)
△シスターエレキング
(56.5・桑島)
△ミスジョーカー
(55・本橋)
△トーセントップラン
(54・山崎)
キープザチェンジ
(52.5・左海)
マルヨシロワイン
(52・真島)
アウスレーゼ
(55.5・的場文)
ツクシヒメの充実度を素直に買った。前走黒潮盃でブルーヒーローを完封。ヒーローは東京ダービー2着など、現在“オープン基準馬”と呼べるだけに価値があり、しかも先手先手と攻めて最後1.1/4馬身差だから額面通りだ。遡ってプリンセス賞3着、関東オークス2着。快足ネフェルメモリー離脱の今、世代No.1はもちろん、南関東牝馬頂点が十分めざせる。490kg台、パワフルな馬体と走法。本来中〜長距離型の印象だが、反面ハイペースのサバイバルに強いイメージもわく。ハンデ55.5も重くない。
相手本線にベルモントプロテア。JRA・5勝、転入後3戦5、4、7着(重賞)ながら、道中実力馬らしい見せ場を作った。じっくりタメて切れ味が身上。シスターエレキング、キープザチェンジ、さらにツクシヒメも先行態勢と読めば展開も絶好だろう。いずれにせよ同馬はこの一戦で真価が問われる。
フサイチミライ▲はたぶんにヤマ勘的な予想だが、こちらもJRA出身の切れ者で、今回ハマりそうな予感がある。
先行馬では、エンプレス盃2着、当時ヤマトマリオンを差し返したシスターエレキングだが、逃げ一手のわりにしばしばスタートミスがあり信頼度は高くない。
デザートレジーナは前走しらさぎ賞勝ちのレベルが微妙。当時目いっぱいの競馬は間違いなく、戸崎J騎乗、2番人気(?)となると妙味薄か。穴はミスジョーカー。昨暮れあっといわせた「東京シンデレラマイル」と同じ大井1600m。混戦で意外性を秘めている。