日本テレビ盃(9月23日 船橋 サラ3歳以上 別定 JpnII 1800m)
「日本テレビ盃」は、平成10年から交流G移行。その初年度をアブクマポーロが圧勝、以後JBCなど“ダート秋路線”へ重要なステップとして機能してきた。
JRA=南関東馬、がっぷり四つ。ただ今年は……。昨年名勝負(ボンネビルレコードに3/4馬身差2着)を演じたフリオーソは、今年JBC直行(11月3日・名古屋)へと舵を切った。
No.1、一枚看板が抜けると、それこそ悲劇的な状況になってしまう南関東陣営、層の薄さ。出でよ新星…はもちろんだが、番組体系など、交流Gへの姿勢(強い馬をそこに向かわせる)を考えるときがきているとも思う。
意味、意義が薄い重賞を見直し、整理すること。例えば、先日川崎「戸塚記念」など、この時季を迎え今さら“3歳限定重賞”が必要なのかどうか。交流G。“胸を借りる”のはいいけれど、“馬場を貸す”だけはいかにも寂しく、それではファンを呼べる理由もない。
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(1)…上位拮抗。総体的に堅めだが、1人気[3-3-1-2]、2人気[4-1-3-1]、3人気[2-2-2-3]とほとんど差がない。
(2)…JRA対船橋。JRA=6勝、2着5、船橋=3勝、2着4。ただ今年は船橋勢(南関東勢)のレベルがどうにも寂しい。
(3)…4〜5歳馬優勢。4・5歳馬が、ともに3勝、2着2とリードする。ただ実績重視はやはり基本で、1〜2着18頭中、14頭が交流G連対記録。
(4)…先行有利。逃げ=3、先行=9、差し=4、追込み=2。高速決着のケースが多く、持ちタイムのある快速型が活躍する。
※データ推奨馬
◎マコトスパルビエロ…記者の読みでは、単4.0倍見当の3番人気。勢いのある5歳馬で、現実に前走強敵相手に交流GIIIを勝ってきた。時計勝負歓迎の先行型。ここはハナを切るケースも予測される。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ボンネビルレコード
(57・的場文)
○マコトスパルビエロ
(56・安藤勝)
▲フェラーリピサ
(56・岩田)
△マルブツリード
(56・蛯名)
△トップサバトン
(56・戸崎)
△クレイアートビュン
(56・坂井)
△フリートアピール
(56・和田)
フサイチギガダイヤ
(56・川島)
ボンネビルレコード◎は、正直少しヒイキが入る。大井出身、デビュー時からその個性に惚れていたこと。JRA移籍後、的場文JとのコンビでGIホースへ昇りつめたこと。ともあれ、同馬の末脚はごく客観的に、超一流と呼べる凄みがある。
昨年、このレースは痛快、奇跡的な直線一気。手応え十分に抜け出したフリオーソを並ぶところなく差し切り、結果1800m1分47秒8、極限のレコードをマークした。
父アサティス、中〜長距離型のイメージながら、緊張感のあるスピード勝負、時計勝負がむしろ合う(とりわけ左回り)。今後JBC(名古屋)→JCダート(阪神)と路線は続くが、ボンネビル自身、条件的に今回最も力が入る。事実帝王賞(3着)後、昨年より早めの帰厩。意欲的に乗り込まれた。
フェラーリピサ、マコトスパルビエロの比較は難しい。ともに器用さを備えた快速馬で、実績上は重賞3勝のフェラーリが一歩リード。
ただ前述通りマコトスパルビエロは、前走「マーキュリーC=盛岡」スマートファルコンを完封した自信が大きく、1600mベストのフェラーリに比べ、思い切りよく乗れそうなムードがある。父ブライアンズタイム。おそらくJRA・地方、交流Gで長く活躍できる馬だ。
マルブツリードは今回補欠出走(サンライズバッカス回避)ながらダート7勝、今夏オープン特別(小倉1700m)を2勝している。このケースは適性(船橋ダート)しだい。前々を進めるタイプだけに脈はある。
さて地方勢。格でトップサバトン、好調さでクレイアートビュンだが、前者は気性難、後者は決め手不足。うまく流れに乗ってぎりぎりワイド圏内か。あえてなら、最内枠を得たフリートアピール。大井1800m1分51秒4があればまったく足りないこともない。腕を上げてきた若手・和田騎手。馬自身は展開ひとつで二の脚が使える。