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東京盃・展望

  • 2009年09月28日(月) 12時00分
 東京盃(9月30日 大井 サラ3歳以上 別定 JpnII 1200m)

 「東京盃」は95年から交流G移行。近年「JBCスプリント」前哨戦として定着したが、むろん今年“第43回目”が示す通り歴史は長い。大井1200m、レコード変遷などについて少し。67年、1分12秒5(アオイライコー)に始まり、以後、ヤシマナショナル、イナリトウザイ、カオルダケ、ベラミロードと、その“速さ”が磨かれ更新されてきた。記者自身リアルタイム、肉眼でレースを見たのは、80年カオルダケ、00年ベラミロード(タイレコード)。いずれも圧倒的な逃げ切りで、イナリトウザイ(アラブの魔女)を含め、なぜか5頭中3頭までが牝馬だった。印象深いのはやはりベラミロードだろうか。今は廃止された宇都宮競馬所属。27戦17勝、栃木3冠を達成し、JRAユニコーンSも2着と健闘した。2000年度NAR、最優秀牝馬、最優秀短距離馬、年度代表馬のトリプルクラウン。鞍上・内田利雄Jとの名コンビも思い出される。あれから9年。確かに状況、力関係は変わったが、「(地方競馬の)古き良き時代…」そう言い切ってしまうのも何やら寂しい。少なからず特殊性がある大井1200mは、本来“地方馬優勢”の土俵だった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 (1)…波乱含み。1人気[2-2-1-5]、2人気[3-1-0-6]、3人気[2-0-1-7]。人気馬総じて頼りなく、とりわけ“2着”が狂う傾向。

 (2)…JRA優勢。JRA=5勝、2着9。大井=3勝は健闘だが、2着0というあたり層の薄さか。他は岩手、栃木がそれぞれ1勝。

 (3)…牝馬注目。年齢別では、4歳、5歳、6歳、それぞれ2勝。バラつきがあり何とも言えない。むしろ牝馬2勝に注目すべきか。

 (4)…先行有利。連対20頭は、逃げ=4、先行=6、差し9、追込み=1。スプリント戦だけに当然で、勝ち負けは“中団より前”が条件。

 ※データ推奨馬

 ▲メイショウバトラー…盲点になりそうな9歳牝馬。あらゆる流れに対応できるレース巧者で、一昨年東京盃2着と大井1200m適性も高い。武豊Jは04年マイネルセレクトで優勝。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

◎ヴァンクルタテヤマ
(56・幸)
○フジノウェーブ
(58・的場文)
▲バンブーエール
(58・松岡)
△ノースダンデー
(56・左海)
△メイショウバトラー
(54・武豊)
△スーニ
(54・川田)
△ポートジェネラル
(56・赤岡)
リミットレスビッド
(57・岩田)
プライドキム
(56・川島)
ベルモントサンダー
(56・今野)
ケイアイジンジン
(54・戸崎)

 ヴァンクルタテヤマ中心は動かない。今夏「北海道スプリント(門別)」→「サマーチャンピオン(佐賀)」と交流G連勝中。父フォーティナイナーの代表産駒といえる快速馬で、過去1000m〜1400m、3度に渡りレコードを樹立している。天性のスピードに加え、7歳ながらさらに進化を続ける成長力。昨年このレースはスタートで大きくつまずき、文字通り痛恨という0.3秒差3着だった。大井コース、そのフィーリング自体は悪くないはず。前走から新コンビを組んだ幸騎手。自然流の先行抜け出しで、おそらくいい感触をつかんでいる。

 フジノウェーブは昨年の覇者。直線インから鮮やかに差し切った。07JBCスプリントの金星も含め、大井1200mスペシャリストと言い切れる。体調に波があること、折り合いが難しいこと。それでもこの条件なら対抗以下には落とせない。御神本Jが乗れず(騎乗自粛)、しかし逆に代役・的場文騎手が新境地を引き出す可能性もある。

 バンブーエールは、昨秋JBCスプリント(園田)を制し、以後ドバイ遠征も健闘した。見方によっては一つ格上。大井コース適性(ジャパンダートダービー2着)も強みになる。

 2歳優駿勝ちスーニは、確かにGIウィナーだが、距離適性を別にして早熟のうらみを感じる。それなら多分に手探りでも、短〜マイルの新星ノースダンデー、データ適合メイショウバトラーに妙味ありか。リミットレスビッドは東京盃2勝ながら衰えた感が否めない。大穴はとにかくテンが速いポートジェネラル。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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