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埼玉栄冠賞・展望

  • 2009年10月12日(月) 00時00分
 埼玉栄冠賞(10月14日 浦和 サラ3歳以上 別定 SIII 1900m)

 旧「埼玉新聞杯」。舞台、条件はまったく同じで、昨年からレース名だけが変更された。ともあれ、改めてファイルをめくると、イメージ以上に“強い馬”が勝っていることに驚かされる。04年モエレトレジャー、05年ケイアイミリオンは、「浦和記念=交流GII」を制覇。他にもマキバスナイパー、ナイキアディライト、トーセンジョウオーなど、全国級のビッグネームが並んでいる。A1=58kg、A2=56kg…(牝馬2kg減)、実力馬が参戦しやすい別定重量が大きいか。南関東4場、やや軽んじられる傾向の浦和重賞だが、少なくとも近年は、直前「大井記念」などよりレベルが高い。

 (1)…1番人気馬が強い。1人気[5-3-1-1]は文句なしの数字で、昨年デスモゾーム(10着)を除くとすべて馬券に絡んでいる。ただヒモが狂うケースも多く、総体的には波乱含み。

 (2)…4場所均等の活躍馬。船橋=4勝、2着6と一歩リードの数字だが、大井、川崎、さらにホーム浦和も、それぞれ2勝をあげている。南関東重賞では珍しい傾向といっていい。

 (3)…年齢にもバラつき。3歳=2勝、4歳=1勝、5歳=2勝、6歳=3勝、7歳=1勝。年齢だけでは絞りにくい。あえていえば、経験不足の3歳馬でも通用すること。

 (4)…先行有利。連対10頭は、逃げ=4、先行=10、差し=6。直線一気は例がない。モエレトレジャー、ケイアイミリオンなど、浦和初登場の先行型が意外なほど好走する。

 ※データ推奨馬

 ◎ブルーラッド…おそらく1番人気。勢いのある3歳馬で、スピード勝負、時計勝負にきわめて強い。浦和コースは基本的にストレートな戦い。主導権をとってしまえば、それがそのままアドバンテージになる。父シーロは、07年「ニューイヤーC」、レッドドラゴンを輩出した。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

◎ブルーラッド
(56・戸崎)
○クレイアートビュン
(58・的場文)
▲リュウノキングダム
(56・坂井)
△コスモシェアト
(54・水野)
△エスプリベン
(56・佐藤博)
ナムラクック
(54・金子)
バカウ
(52・今野)

 前フリ、データは書いたものの、正直あまりソソられないレースとなった。何とかかき集めたという9頭立て。◎○▲、上位3頭こそまずまずの水準だが、以下、伏兵陣がどうにも寂しい。何度となく書いたこと。現在南関東はオープン馬の層がきわめて薄く(故障馬も多い)、にもかかわらず、むしろ重賞数は“微増”している。呼び物を作る…主催者の興行的意図はもちろんわかるが、現実にレベルダウン、空洞化が止まらない。出走資格の改定(JRA・他地区馬)なども含めた整理、再編成が、やはりどこかで必要だろう。日々の出馬自体は活発でも(下級戦はおおむねフルゲート)、重賞、メイン格が貧弱では、競馬自体、単なる“当てモノ”に堕ちてしまう。

 ともあれ、3歳ブルーラッド中心は動かない。前走「戸塚記念」でタイトル2つ目。4コーナー先頭、文字通り正攻法で後続を大きくちぎった(4馬身差)。2100m2分15秒0はレース史上第2位。関東オークス(ラヴェリータ=2分15秒5)との比較からも、これは絶大な価値がある。気性面に甘さがあること、斤量に敏感なこと(黒潮盃・58kgで大敗)。しかし前者はチークピーシーズ着用で解消のメドがつき、後者は今回56kg(3歳=A2)だから、問題なしでいいだろう。シーロ×ミルジョージ。中〜長距離、交流Gの貴重な戦力として、もう一段グレードアップを期待したい。

 連覇を狙うクレイアートビュンは、距離、コースを選ばず重賞皆勤。それでいてまったく崩れないタフさが大きな売りだ。伸び盛りの相手と2kg差は確かに辛いが、自在性、経験、さらにホームで戦うアドバンテージ。信頼度はきわめて高い。

 3番手リュウノキングダムは、今夏岩手(水沢)遠征、「みちのく大賞典」を2着した。百戦錬磨のキングスゾーンに1/2馬身差。ノンタイトルながら、現4歳、屈指の成長株と評価できる。

 以下、浦和1900mでクレイアートビュンに1勝しているコスモシェアト、意外性のある逃げ馬エスプリベン(重賞2勝)が、あえての伏兵。馬券は“3連単”以外に策がなく、◎ブルーラッド→○クレイアートビュン、そこから▲△△へ3点を買ってみる。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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