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全日本2歳優駿.・回顧

  • 2009年12月21日(月) 00時01分
全日本2歳優駿(12月16日 川崎 サラ2歳 定量 JpnI 1600m重)

▲(1)ラブミーチャン 1分40秒0
○(2)ブンブイチドウ 1.1/2
△(3)アースサウンド アタマ
△(4)サンライズクォリア 6
△(5)ナンテカ 3/4
…………………
◎(7)ビッグバン
(9)ショウリュウ
△(11)マグニフィカ
(13)テーオーケンジャ

単470円
馬複5850円
馬単8940円
3連複17630円
3連単112330円

 ラブミーチャンが完璧な逃げ切りで、2歳ダートNo.1に輝いた。牝馬の優勝は05年グレイスティアラ以来となる。それにしても1600m1分40秒0の時計には驚かされた。同距離で行われた50年間のレースレコード。昨年スーニ=1分40秒5(不良)。当時と比べ馬場はけっして軽くない。

 少し外めの12番枠(14頭立て)。しかし、いざゲートが開いてみるとダッシュ、加速力が一枚違った。あっという間に先頭を奪い、終始快テンポで飛ばしていく。35.4-49.2-61.4秒、数字上は厳しいラップ。ただそのぶん後続は追走に脚を使い、同時に自身はうまく折り合いがついている。

 3〜4コーナー、2番手アースサウンドが並びかけたが、まったく動じる気配がない。直線は2頭、後ろを大きく離しての一騎打ち。結局音をあげたのは、中央馬アースの方だった。

 「手応えはそれほどよくも感じなかったが、最後もうひと伸びしてくれる。速いだけではなく、強い馬。勝負根性が何より凄い」(濱口騎手)。

 デビュー笠松2連勝、以後、JRA・500万下、前走園田「兵庫ジュニアグランプリ」を連覇してここに臨んだ。さまざま、未知数な面はあったものの、今日の内容からは“女傑”“名牝”の言葉がそのまま当たる。

 「嬉しい、そして万歳ですね。(厳しい環境の)地方競馬でもJRAに負けない馬が作れること、今回それが証明できた。地元(笠松)ファンも喜んでくれるでしょう」(柳江仁調教師)。同馬オーナーは、Dr.コパこと小林祥晃氏。

 表彰式インタビューでは「JRA桜花賞、他にドバイも登録済みです」とコメントし、スタンドが大きく沸いた。彼女の今後がどう推移するかは、当然ながらわからないが、競馬が運んできてくれる夢とは、やはりこれだという思いも浮かぶ。

 ただ、客観的、冷静には書いておきたい。パドックで実馬を見たのは初めてだが、前躯がガッシリした短距離体型。回転が速い、返し馬のフォームなども、血統通り(父サウスヴィグラス)スプリンターを連想させる。芝適性がはたしてどうか。もう一つ、ここまで強行軍だけに、中間じっくり充電が必要になる。

 ブンブイチドウ・2着。直線入口、3〜4番手まで押し上げたものの常識的には連対圏外。そこからの爆発的な末脚は、負けて強しの見方だろう。依然不器用さがネックだが、能力自体、全国レベルは証明した。

 アースサウンドは一流のスピード馬ながら、現時点で追っての味にひと息欠ける。それでも時計的には十分で、今後も展開を含め相手次第になりそうだ。

 ◎ビッグバンは、結果論ながら、馬自身の若さ、鞍上のキャリア不足が大きいか。道中ずっとフワフワした走りで、4コーナーも外々へ大きく膨れた。これが実力ではないと思う。JRA、あるいは大井、広いコースで巻き返しを期待する。

 ナンテカは鞍上テン乗りで終始流れに乗れなかったが、大崩れしない地力はやはり相応に評価できる。サンライズクォリアは、元より2連勝の時計が平凡で、今回4着は悪くない。ショウリュウ、マグニフィカ大敗。残念ながら南関2歳は、全国レベルに達していない。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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