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東京大賞典・展望

  • 2009年12月28日(月) 00時00分
 東京大賞典(12月29日 大井 サラ3歳以上 定量 JpnI 2000m)

 「東京大賞典」は、99年から“12月29日”に定着した。「有馬がダメなら大賞典があるさ…」とはよくいわれるが、現実にこうした“施行日固定”は英断と思う。

 わかりやすい。ただカレンダーとは頑迷で(当り前か)、有馬記念→東京大賞典…というファン心理を、常に思いはかってくれるものでもない。有馬記念、東京大賞典は、中間3〜5日、その間隔がベストか。有馬記念的中ならカサにかかって攻めればいいし、残念の状況ならそこで一気逆転の勝負になる。今年は中1日で微妙な状況。

 むろん南関東案内人の一人としては、多くのファン参加(特にライヴ)を期待したい。見渡して、顔ぶれ自体は“ほどよい”ものになったと思う。

 (1)…上位拮抗。1番人気[3-1-1-5]、2番人気[2-3-3-2]、3番人気[3-2-2-3]。人気馬中心が基本だが、その選択が問題になる。

 (2)…JRA強し。JRA=7勝、2着8回。地方Vはアジュディミツオー、トーホウエンペラーだが、傑出馬不在の状況ではおおむね苦しい。

 (3)…4歳優勢。連対馬は3〜7歳、広範囲だが、充実期とされる4歳馬=2勝、2着3回と一歩リード。勢いがあれば逆らえない。

 (4)…JCダート組。連対20頭中13頭が、前走JCダートを走っていた。当時の着順はともかく、ハイレベルの経験が必要ということ。

 (5)…好位差し。連対馬のレースぶりは、逃げ=3、先行=6、差し=9、追込み=2。おおむねスローに流れ、前々を動いてやはり有利。

 ※データ推奨馬

 ◎サクセスブロッケン…おそらく1番人気。ほぼ絶頂期としていい4歳馬。前走「JCダート」はエスポワールシチーを追いかけ、結果4着以上に中身が濃かった。逃げてよし、好位から差してよし。大井2度の経験も強みになる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

◎サクセスブロッケン
(57・内田博)
○ヴァーミリアン
(57・武豊)
▲セレン
(57・石崎隆)
△ゴールデンチケット
(55・ルメール)
△ブルーラッド
(55・今野)
△フリオーソ
(57・戸崎)
△ボンネビルレコード
(57・的場文)
ヤマトマリオン
(55・小林徹)
ロールオブザダイス
(57・デムーロ)
サイレントスタメン
(55・金子)

 サクセスブロッケンに確勝の一戦だろう。旬を迎えた4歳秋。前走JCダート4着、なるほどエスポワールシチーは別格の強さだったが、それに終始食らいついたレースぶりなど、2着シルクメビウス、3着ゴールデンチケットを“内容点”で大きく凌ぐ。今季1600mフェブラリーSでGI制覇。しかし同馬の本質は、むしろパワー、持久力とも考えられ、記者個人的には、「大井JDダービー」「園田JBCクラシック」、中〜長距離がベストパフォーマンスと感じている。今回状態微妙なフリオーソ。内田博Jはおそらく強気強気で捌くはず。向正面からロングスパート。差してくる馬に怖さがない。

 JRA勢の評価を先に書く。ヴァーミリアンは常に悠揚泰然、距離オールマイティの歴史的ダート名馬と敬服する。ただ、近況からはいくぶんかげりも否めない。過去「東京大賞典」は、メイセイオペラ、ウイングアロー、タイムパラドックス、そうした“古豪”に、意外なほど厳しい結果を突きつけてきた。対ブロッケン、ごく普通には王座委譲が自然でもあるだろう。森秀行厩舎一流の戦略で力をつけたゴールデンチケット、的場文J、鬼脚再びの期待がかかるボンネビルレコード、さらにTCK女王盃の覇者ヤマトマリオンまでひとまず圏内。中でも補欠繰り上がりながらゴールデンチケットは活気がある。

 冒頭“ほどよいメンバー”と書いたが、今回熱が入るのは、地方勢(南関東)にも脈があること。現実にブルーラッドは前走「浦和記念=GII」を渾身のまくりで制し、一方セレンも重賞2連勝、かつてのアブクマポーロを思わす爽快な切れ味をみせている。交流G常連相手にどこまで個性をアピールできるか、結果当たって砕ける…。

 としても大いに楽しみ。とりわけセレンは、6000勝・石崎隆Jにとっても、渾身の騎乗になると思う。以下、混戦になってロールオブザダイス、サイレントスタメン。それぞれ自らのフォームで完全燃焼を期待する。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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