ユングフラウ賞(2月10日 サラ3歳牝馬 定量53kg SIII 1400m)
「ユングフラウ賞」は、09年からSIII昇格(89〜08年・準重賞)。言うまでもなくクラシック「桜花賞」へ向けたトライアルで、すでに19年間、十分な歴史を重ねている。ただし、ユングフラウ賞→桜花賞の連破となると、03年メモリヒメ1頭だけ。“本番”の大半を別路線組が勝ってきた。「ローレル賞」「東京2歳優駿牝馬」、その上位勢が“直行”、あるいは“牡馬路線テスト”、というケースが多いこと。それでも今年はローレル賞馬キョウエイトリガーが使ってきた。左回り川崎コースで一変したサウスポー。陣営の勝算、思惑は納得できる。
(1)…波乱含み。1番人気[3-3-0-4]は悪くもないが、2番人気[0-1-2-7]で、このワンツーは1度だけ。3番人気[3-1-0-6]に注目か。
(2)…大井勢の活躍。トータルは、川崎=3勝、2着2と最上位だが、出走頭数も加味すると、大井=3勝、2着1と確率が高い。船橋勢が意外な不振。
(3)…歴戦の強み。優勝馬の平均キャリア=8・6戦、同2着馬=5・6戦。3戦以下の優勝は、18年モナしかない。データ上は、“素質”より“経験”。
(4)…先行・捲り。逃げ=5、先行=6、差し=7、追込=2。スピード決着で前々有利は当然だが、浦和コースの鉄則通り、瞬発力をイメージしたい。
※データ推奨馬
◎モエレスターレット…道営→大井、[2-2-2-5]と豊富なキャリア。前走「桃花賞」小差3着だから近況も悪くない。何より昨年勝ち馬・モエレエターナルの全妹という背景が後押しする。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎バックアタック
坂井
○スクロヴェーニ
石崎駿
▲モエレスターレット
繁田
△キョウエイトリガー
柏木
△ブレイクスルー
野沢
△レッカ
真島
△クレタパラドックス
戸崎
トーセンウィッチ
庄司
スパンキーラビット
山崎
パピチャン
見沢
バックアタックを狙った。キャリア4戦、データ上は分が悪いが、マークした2勝のインパクトがきわめて強い。昨夏道営新馬勝ちは、後続を9馬身(1.9秒差)ちぎったもの。当時門別1200m1分12秒7、同日古馬B級と互角の時計をいきなり出した。そして前々走大井初戦快勝もまさしく圧巻。3コーナー馬なりで先頭を奪い、直線独走。結局鞍上の手綱は最後まで動かなかった。圧勝→凡走(前走桃花賞4着)を2度重ねたあたり、まだ子供っぽさも残りそうだが、ことスピード能力は文句なく一級品。父アグネスデジタル。もちろんこれから成長期にかかるだろう。
道営レベルを重視した。スクロヴェーニはバックアタック同様、門別新馬戦圧勝(6馬身差)。以後大井転入、前走2戦目を余裕残しで勝っている。父スパイキュール、競馬センス優秀で自在に動くイメージか。データ推奨馬としたモエレスターレットは、姉エターナルとよく似たステップを踏んでおり、前走桃花賞3着にも充実がうかがえる。もう1頭ブレイクスルーも道営2勝。前走転入初戦(船橋)を豪快に差し切り、混戦向きの逞しさを印象付けた。ハイペース必至の顔ぶれだけに食指が動く。
キョウエイトリガー(おそらく1番人気)は、川崎ローレル賞を圧勝し、続く東京優駿牝馬3着。実績上位、左回り得意、特に嫌う根拠もないが、現実に優駿牝馬はプリマビスティー、オノユウに完敗だから、今回オッズに見合うかどうか。JRA・1勝、戸崎Jを配したクレタパラドックスも、東京1300〜1400mの時計など平凡で、初戦は“試金石”の言葉がそのまま当たる。盲点、妙味というならむしろレッカか。前2走、意識的な待機策で入着ラインは大きな収穫。元より左回りに適性が高い。