報知グランプリC(2月17日 船橋 サラ4歳以上 別定 SIII 1800m)
「報知グランプリカップ」は、今年第46回目。厳寒期の船橋、その名物レースで、かつては“オールカマー”という条件が一つ異彩を放っていた。アラブが出走可能だったこと。実際、4頭のアラブが優勝した。ヨシノスカレー、ホーエイヒロボーイ、コスモノーブル(2回)、トチノミネフジ。昭和末期〜平成、南関東サラブレッドのレベル低下は否定しないが、それでもこの時代、そんな“怪物”の快挙に、スタンドが大きく沸いた(どよめいたか)のも事実である。地方競馬が愛されていた、古きよき時代のこと…。もっとも同レース自体は、それなりに格が高い。ロッキータイガー(85年)、コンサートボーイ(96年)が、ともに明け4歳で勝ち、以後、頂点へ昇りつめていく。
(1)…人気馬中心。1人気[4-3-2-1]は数字上文句なく、2人気[1-3-2-4]、3人気[1-1-2-6]も、大半が掲示板に昇っている。
(2)…地元優勢。ホーム船橋=7勝、2着3と断然優勢。川崎=2勝、2着4、大井=1勝、2着2も悪くないが、迷ったらやはり地元。
(3)…4歳馬注目。4〜7歳、ほぼ互角の好走だが、焦点を絞れば、4歳=3勝、2着3の数字になるか。昨年モエレラッキー(4人気)優勝。
(4)…時計のある差し馬。逃げ=2、先行=5、差し=12、追込=1。おおむねハイペースで流れ、絶対スピードと瞬発力が要求される。
※データ推奨馬
◎ナイキハイグレード…おそらく1番人気。前述通り4歳馬注目の重賞で、ホームで戦える点もプラスが大きい。久々(8か月ぶり)は未知数だが、世代レベル自体低くないはず。“時計のある差し馬”という観点からも条件ぴたり。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎モエレラッキー
(56張田)
○クレイアートビュン
(56的場文)
▲ナイキハイグレード
(57戸崎)
△ギャンブルオンミー
(54今野)
△マンオブパーサー
(56菅原勲)
△ドリームスカイ
(56町田)
△ナイトスクール
(54佐藤太)
ウツミランカスター
(54坂井)
ベルモントギルダー
(56石崎駿)
今回最大の目玉とされたステップクローザー(父ホワイトマズル・3連勝中)が直前回避。軽い脚部不安と聞いたが、いずれにせよレース自体、これで一転混戦ムードに変わってしまった。同馬は当初、戸崎J騎乗が濃厚で、その意味でも(各厩舎思惑、鞍上配置など)、何やら予想が難しい。上位拮抗。当日の気配を含め、柔軟な推理が前提になるだろう。
モエレラッキーの連覇を狙った。3〜4コーナー、豪快に捲り切った昨年V。結果1/2馬身差(2着クレイアートビュン)ながらインパクトは強烈で、当時やや重苦しい馬場だけに、1800m1分52秒5も合格点がつけられる。以後ササ針休養(8か月半)、立て直しに手間取ったが、前走復帰4戦目、一気に逃げたレースぶりからは、再び“戦闘モード”がみてとれた。東京ダービー2着の絶対スピード、最もフィーリングの合う船橋コース。カカる気性がネックだが、鞍上・張田Jは、このタイプの馬を操って、それこそ天才的な腕をみせる。逃げ馬(おそらくナイトスクール)の直後で折り合い、一気に脚を使う競馬をイメージした。
夢と可能性といえば、むろん4歳ナイキハイグレードだが、今回東京ダービー以来長休明け。そのダービーも現実にサイレントスタメン、ブルーヒーローに差し込まれ、世代同士の評価ですらまだ揺れ動く部分がある。調教試験、追い切りは合格点でも、もまれる展開を想像すると半信半疑。それなら地力と安定性、さらに順調さでクレイアートビュンが上位にとれる。前走金盃は直線窮屈になりながらセレンに肉薄。的場文Jが乗って[4-5-4-2]の数字も、大半が重賞だけに特筆ものといえるだろう。前走快勝で復活を示したマンオブパーサー、地元中距離向きギャンブルオンミーまでほぼ互角。ドリームスカイの末脚も不気味だが、こちらは時計のかかる混戦が条件になる。