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東京スプリング盃・展望

  • 2010年03月01日(月) 00時00分
 東京スプリング盃(3月3日 大井 サラ4歳以上 別定 SIII 1400m)

 「東京スプリング盃」は新設SIII。ただし実質は、「東京シティ盃(現東京スプリント)」からの移行で、距離が再び1400m(07年〜09年・1200m)に戻される。なお今回「スプリング盃」1着馬には、次開催「マイルグランプリ=SII」の優先出走権が与えられる。さまざま試行錯誤、微妙に動いた南関東「短距離ロード」だが、今後おそらくこの形で固まる
だろう。

 (1)…波乱含み。1番人気[4-2-0-4]、2番人気[2-1-3-4]。ほぼ水準の数字だが、ワンツーで決まった年は1度しかない。馬単=30倍以上が10年間で5度ある。

 (2)…大井VS船橋。大井=5勝、2着4、船橋=4勝、2着4。ほぼこの2場所に活躍馬が限定される。川崎は1勝、2着1。近年は出走頭数自体がなぜか少ない。

 (3)…高齢馬。7歳馬=6勝、2着3は特筆できる。元より南関東短距離路線は“若さより経験”の傾向で、8歳馬も2着2回。4歳馬は2勝、しかし2着がない。

 (4)…TR勝ち。05年から「Wスプリント」がTRに定着し、その優勝馬=8、2、1、3、6着。絶対優勢ともいえないが、船橋記念(コアレスタイム5着が最高)と比較すれば高確率。

 (5)…自在脚質。逃げ=5、先行=5、差し=6、追込=4。短距離ながら先手必勝の傾向はむしろ薄い。今回1400m(外回り)だけになおさら“追っての味”が要求される。

 ※データ推奨馬

 ◎フジノウェーブ…明け8歳馬ながら前走からは能力健在。条件は違うものの(1200m)、現実にこのレース2勝しており、大井優勢、TR優勝のデータもぴたりとハマる。過去10年中、8頭までが58kgを背負って優勝。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

◎フジノウェーブ
(59・戸崎)
○スーパーヴィグラス
(54・張田)
▲ネフェルメモリー
(57・酒井)
△ケイアイジンジン
(57・的場文)
△イーグルショウ
(54・坂井)
△シアトルバローズ
(56・山崎)
△スリーセブンスピン
(59・真島)
ヤサカファイン
(52・有年)
サザンクロスラリー
(54・森下)
ヴァイタルシーズ
(58・水野)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 フジノウェーブを信頼する。5歳時「JBCスプリント=大井1200m」で大金星。以後もフィーリングの合う舞台ではさすがの強さをみせてきた。体調に波があること、左回りが苦手なこと。チャンピオンらしい安定感こそひと息だが、それでも一昨年暮れ中山GIII「カペラS」3着など、瞬発力自体は全国レベルに十分届く。そして前走「ウインタースプリント」、59kgを背負いながら、馬なりのまま次元の違う勝ちっぷり。8歳の年齢はさておき、再び旬を迎えた感がある。いい意味でのズブさ(行きたがらない)が出て、むしろ1400m歓迎だろう。戸崎Jをしっかり確保。追い切りも完璧だった。

 今回目玉は、言わずもがなネフェルメモリー。ダート8戦7勝。唯一敗れた「東京ダービー」も、自らレースを作り小差4着だから、並みの2冠牝馬とはクラスが違う。ただ現実に9か月の長期休み明け。その間、厳しいレースを重ねてきた牡馬(古馬、4歳馬含め)相手に、別定57kgではたしてどうか。こと馬券的にはあまり食指が動かない。

 スーパーヴィグラス本線。昨春クラシックに乗った(京浜盃3着)逸材だが、以後短距離ロードに照準を変え、さらに個性を伸ばしてきた。前走「ウインタースプリント」、フジノウェーブに1.1/4馬身差2着。若さと上昇度を味方に、逆転の可能性もないではない。

 ケイアイジンジンは、スーパーと同世代の好敵手で、昨夏「アフター5スター賞」を勝っている。54対57kg、斤量は少し不利だが、鞍上と絶妙に呼吸が合い、並んでからが勝負強い。「船橋記念」の覇者スリーセブンスピンは、当時1000mがドンピシャリで、仮に逃げ争いを制しても、最後末脚に不安が残る。薄目を狙えば、JRA・5勝、前走復調気配をみせたシアトルバローズ、1400m[3-3-1-0]の適性が光るイーグルショウ。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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