マイルグランプリ(3月17日 大井 サラ4歳以上 別定 SII 1600m)
「マイルグランプリ」は95年新設。トゥインクル開幕の目玉として今年第16回目を迎える。第1回アマゾンオペラ、第2〜3回コンサートボーイ(連覇)、第4回アブクマポーロ…。その黎明期はおおむね当時のビッグスターが勝ってきた。少し間隔は離れるものの「帝王賞=JpnI」のトライアル的役割りを果たしていた感はあった。ただ近年に関するとかなりトーンダウンは否めない。一昨年はデスモゾーム、昨年はロイヤルボス。アジュディミツオー級(06年優勝)が存在すればともかく、直前の「ダイオライト記念」、直後の「東京スプリント」の日程にも根本的に無理がある。相変わらず層の薄いオープン馬、それでも重賞数は増やしたいという主催者の思惑。少なくとも“南関東限定”は、時代、情勢に、いかにも合致しなくなっている。
(1)…小波乱。1番人気[4-1-3-2]、2番人気[2-2-2-4]は水準としていいが、現実にこのワンツーが1度もない。3番人気[3-1-0-6]。軸を決めて手広く行く手か。
(2)…大井対船橋。船橋=5勝、2着5、大井=4勝、2着5。川崎1勝はあるものの(00年インテリパワー)、ほぼ2場所に限定される。近年は大井優勢(3年連続優勝)。
(3)…5歳馬。明け5歳=5勝、2着1と断然強い。4歳フレアリングマズル、デスモゾームと優勝したが、今振り返ると低レベルの年でもあった。金盃勝ち馬[0-0-3-2]も意外な不振。
(4)…自在性。逃げ=6、先行6、差し=7、追込み=1。四角6番手以降からの連対は07年アウスレーゼだけ。例年ペースは遅くならないが、それでも内回りで先行馬に利がある。
※データ推奨馬
◎ロイヤルマコトクン…大井(小林)所属、明け5歳の成長株。大井1600m4勝の実績があり、3歳時クラシックを経験、善戦したキャリアにも胸が張れる。前走「金盃」は2000mを意識して中途半端な競馬とみえた。記者私見、3番人気の想定。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ロイヤルマコトクン
(56・張田)
○マズルブラスト
(57・戸崎)
▲マンオブパーサー
(56・菅原勲)
△クレイアートビュン
(56・的場文)
△トップサバトン
(58・石崎駿)
△ロイヤルボス
(57・森)
△エースオブタッチ
(56・佐藤博)
モエレラッキー
(56・石崎隆)
チェレブラーレ
(56・柏木)
サクラビジェイ
(56・川島)
ロイヤルマコトクンを狙った。父アジュディケーティング、いかにもそれらしい軽快、俊敏なマイラー。あげた7勝中、4勝が1600mで、しかもすべて“オープン”だから強調できる。前走「金盃」は距離2000m、当初から折り合いに気づかい、カカってきたシャレーストーンの動きもあり、どうにも中途半端な競馬とみえた。今回先行馬はそろったが、マコトクン自身、昨暮れ「おおとりオープン」、逃げ馬をあえて追わず、自然流に抜け出したシーンも印象深い。呼吸の合う張田J。位置取りはどうあれ、サバイバルの時計勝負で最も持ち味を発揮する。
ごく常識的な◎はマズルブラストだろう。8歳の今季「報知オールスターC」「金盃」と重賞連勝。それも金盃はセレンを二の脚で完封した。父ホワイトマズル、絵に描いたような晩成型(シーチャリオットと同期)で、切れ味、センス、さらにガッツ、すべての面で以前とは大きく違う。死角は本質的に中〜長距離志向と思えることだが、今のデキで斤量57kgなら、まず大崩れは考えにくい。
マンオブパーサーも前走「報知グランプリC」完勝で再び軌道に乗ってきた。元より3歳秋、盛岡「ダービーグランプリ」を制したGIホース。距離は万能といってよく、鞍上・菅原勲Jにも信頼感がある。
以下、タフネスを地でいくクレイアートビュン、実績、底力を見直せるトップサバトン。昨年の覇者ロイヤルボスは近況が物足りず、チェレブラーレも脚部不安で順調に使い込めない。それなら多少格下感はあっても、マイラーとして円熟したエースオブタッチが大穴か。