マイルグランプリ(3月17日 サラ4歳以上 別定 SII 1600m重)
△(1)クレイアートビュン 1分41秒0
(2)ヴァイタルシーズ 1.1/4
(3)ディアヤマト 1/2
○(4)マズルブラスト 1/2
▲(5)マンオブパーサー 1.1/2
……………………
(6)モエレラッキー
◎(9)ロイヤルマコトクン
△(10)ロイヤルボス
△(16)トップサバトン
単620円
馬複47010円
馬単74110円
3連複309910円
3連単1858060円
クレイアートビュンが差し切った。真ん中からヴァイタルシーズ、サクラビジェイの先行。絶好枠(2番)と思えたロイヤルマコトクンは行き脚が案外鈍く、結局イン3番手、結局窮屈な競馬を強いられる。以下、モエレラッキー、マンオブパーサー。クレイアートビュンは、当初中団をマズルブラストと並走の形で進み、3コーナー過ぎ、相手を振り切るように仕掛けて出た。「ペースは少し速いと思ったが(1000m通過60.9秒)、悔いの残らない競馬をした。いつも惜しいところで負けているから。これで差されたらあきらめもつく」(的場文騎手)。早めに動いて完全燃焼――。的場文J、その騎乗(勝負)スタイルは、一つ“流儀”ともいえるだろう。同馬自身、いったん闘志に火がつけばいい脚を長く使う。ラスト1Fでヴァイタルを力強く捕え、あとはゴールへ一直線。単に印象というなら“独壇場”に近かった。
クレイアートビュンは、父トーホウエンペラーの6歳馬。重賞は4歳暮れ「埼玉栄冠賞=SIII」以来2勝目だが、それより何より昨年重賞13戦、ほぼ皆勤で臨み、一貫大崩れしなかったタフさ、逞しさが大きく光る。「いいところまできて勝てない。(トレーナーとして)自分に何か足りないのかとも思ったりした。とにかく嬉しい。それ以外の言葉が浮かびません」(小久保調教師)。事実勝利インタビュー、小久保師は涙をこらえきれない表情にみえた。勝ち時計1分41秒0は、数字上過去10年で最も遅い。ただ競馬とは、勝負事とは、そういう客観評価で割り切れない部分もやはりある。“努力家”を地でいくクレイアートビュン(的場文J・同スタッフ)に、今回勝利の女神が微笑んだ――。ひとまずそう解釈したい。
ただ、“??…”が、いくつも浮かぶレースでは正直あった。ダッシュがつかなかったロイヤルマコトクンはともかく、マズルブラスト、マンオブパーサーなど位置取りは理想的で、しかしいざ追い出して意外なほど伸びなかった。重賞2連勝マズルの場合など、外見ではみえない疲れがあったのかどうか。少なくともこの日は能力(持ち時計)だけ走っていない。いずれにせよ、馬単7万円、3連単185万円…を思うと、競馬そのものの難しさに、改めてため息が出てしまう。最後いい脚で突っ込んだディアヤマト・3着。ただ、次レースへ穴馬というなら、石崎隆騎乗、もまれる展開をソコソコまで我慢したモエレラッキーを推しておきたい。もう1頭、トップサバトンも結果殿り負けながら、パドックの馬体、雰囲気など悪くなかった。元々優等生タイプではなく、底力からは叩いて一変の期待もある。