クラウンC(3月31日 川崎 サラ3歳 別定 SIII 1600m)
「クラウンC」は、98年、南関東クラシック最終予選として新設。05年まで2100〜2000mで施行され、06年から現在の1600mに落ち着いた。各年出走馬、レベル差が大きいが、その優勝馬、02年キングセイバー、09年サイレントスタメンが「東京ダービー」を制しており、レース自体の存在感は軽くもない。ちなみに第1回優勝ハードサインカラーは、7000勝ジョッキー・佐々木竹見さんが鮮やかな差し切り(記憶ではイン強襲)を決めたもの。記者自身、何か感慨深い重賞でもある。
(1)…波乱含み。1番人気[2-2-2-4]。この数字自体アベレージが低く、2番人気[2-1-1-6]、3番人気[2-0-1-7]も心もとない。堅く収まった年はおおむね少頭数。
(2)…地元有利。ホーム川崎=5勝、2着7。4場所、出走頭数比を考慮しても強調できる。やや癖がある(急コーナー)とされる川崎コース。経験のある馬にプラスアルファ。
(3)…成長株。初重賞挑戦馬が6勝、2着4。04年ブルーローレンスなどデビュー4連勝、素質と勢いで通過した。マイル向きのスピード能力、上昇度がひとまず決め手。
(4)…馬場重視。これは結論にもならないが、渋った馬場なら先行有利。逃げ=6、先行=4、差し=8、追込み=2。ただ昨年サイレントは3角殿りから怒涛の追い込み。
データ推奨馬
◎ラムセスジュベリー…人気がつかみづらいレースだが、ナンテカ、クリノテンペスタ、テラザクラウド(戸崎J)といて、案外盲点になる可能性もある。成績通りの成長株。川崎・池田厩舎は、常に能力、昇り目を吟味、検討した受け入れ態勢をとっており、転入馬の信頼度が総じて高い。流れに応じて動けるイメージ。道悪2戦2勝。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ラムセスジュベリー
(55・今野)
○クリノテンペスタ
(55・山田信)
▲テラザクラウド
(55・戸崎)
△ナンテカ
(57・山崎)
△リュウノボーイ
(55・坂井)
△ポシビリテ
(55・松岡)
△ビクトリースガ
(55・町田)
ロッパツノダンガン
(55・張田)
スマートインパルス
(55・佐藤博)
カネツパワー
(55・的場文)
サイゴンプリンス
(55・本橋)
カシマリュウジン
(55・柏木)
ラムセスジュベリーの充実度に期待する。昨暮れ道営から川崎転入。以後3連勝、いずれも余裕残しのレースぶりで、とりわけ好スタートをいったん下げ、差す競馬をテストした前走は中身が濃かった。直線先行2頭の外に合わせ、弾けるような瞬発力。勝ちを譲らず、同時に新境地を開いたのだから意味が大きい。父キングヘイロー、本質スピード型は確かだが、馬混みで無理なく折り合う競馬センス。遡って道営時3戦3、1、2着も、ラストキング(雲取賞勝ち)を下し、ナンテカと接戦(1/2馬身差)だけに重みがある。おそらく一級マイラーに育つはず。呼吸の合う今野J騎乗も心強い。
昨秋「鎌倉記念」「平和賞」を連勝したナンテカは、ごく客観的に実績断然。しかし前走「京浜盃」はどう考えても不可解(13着)で、それから中2周、ただ1頭重い57kgを含め手放しでは飛びつけない。
逆にその京浜盃3着クリノテンペスタは、昨夏デビュー時、新馬→特別連勝のキャリアから、軌道修正の見方ができる。地方ダート向きプリサイスエンド産駒(桜花賞・ショウリダバンザイ)。こちらもバランスのいいマイラーだろう。
3番手テラザクラウドは、前走初コース川崎の勝ちっぷり(出遅れを直線一気)が鮮烈だった。父ゴールドアリュール、エース・戸崎。格、実績は一枚落ちるが、それを補う期待感もある。以下、岩手A級、前走転入3戦目で切れ味を発揮したリュウノボーイ、昨秋門別「北海道2歳優駿」、ビッグバンの2着が光るポシビリテ。今回充電明けながら、2歳時4戦3勝、まだ底をみせないビクトリースガにも注目したい。