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マリーンC・展望

  • 2010年04月12日(月) 00時00分
 マリーンC(4月14日 船橋 サラ3歳上牝馬 別定 JpnIII 1600m)

 「マリーンC」は、97年新設の交流GIII。初年度優勝はファッションショー(栗東・山内研二厩舎)で、当時同馬の手綱を佐藤隆騎手(船橋所属・06年落馬事故で死去)が握っていたことを改めて思い出す。馬の交流はもちろん、ジョッキーのスクランブルも同時に着々と進んでいく、きっかけであり突破口。“佐藤隆・メモリアル”、そうタイトルをつけても不思議ではないだろう。同騎手(享年49歳)は、通算1910勝、南関東重賞47勝。全盛期の石崎隆之騎手が、しばしば代打(自らが乗れないケース)を頼んでいた、それだけの技術と勝負勘を持っていた。

 (1)…1番人気から薄目。1番人気[5-1-1-2]、2番人気[1-1-2-5]、3番人気[1-3-0-6]。女傑級はやはり強いが、その時点でライバル視された馬が物足りない。“小波乱”が目立つ。

 (2)…JRA対船橋。JRA=6勝、2着6、船橋=3勝、2着5。例外は川崎=1勝だけだった(06年は2着同着)。細かくみると、JRA→JRA、船橋→船橋、というワンツーが5度ある。

 (3)…4歳馬。ここ2年こそメイショウバトラー(8→9歳)が連覇したが、確率がいいのは4勝、2着4を記録した4歳馬。プリエミネンス、トーセンジョウオーらが勢いをみせている。

 (4)…差し馬優勢。逃げ=2、先行=3、差し=12、追込み=4。マイル戦らしいハイペースが大半で、中団より少し前、そこから鋭い脚を使う馬に最も分がいい。逃げ馬は抜けた能力が必要。

 ※データ推奨馬

 ◎ラヴェリータ…おそらく少し抜けた1番人気。まだまだ昇り目が見込めるJRA4歳馬で、流れに応じ緩急自在のレースができる。データ上、ほぼ死角のない本命か。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

◎ラヴェリータ
(57・岩田)
○ユキチャン
(56・今野)
▲ケイアイガーベラ
(55・秋山)
△タカヒロチャーム
(55・桑島)
△トーホウドルチェ
(56・四位)
△ダイアナバローズ
(55・北村)
トウホクビジン
(55・本橋)
オグリオトメ
(55・佐藤友)
クロスウォーター
(55・安部)

 ラヴェリータ中心は動かない。昨夏「関東オークス」→「スパーキングレディーC」連勝、その時点で“新女王”をほぼ確定させた馬。以後強敵相手(牡馬)との対戦で地力を蓄え、前走「名古屋大賞典」は、一つ集大成というべき結果を出した。ごく自然流に3コーナー先頭、アドマイヤスバルを2馬身完封。かつてのレマーズガール、グラッブユアハート級(牝馬G限定)とははっきりレベルが違っている。元より、阪神1400mレコード勝ち(2歳暮れ)など、時計勝負、スピード勝負にも高い適性。いずれにせよ一定の体調で、適鞍を使っていく以上、しばらく連戦連勝のイメージだろう。再三書いたことだが、この状況(有力馬で地方遠征)の岩田騎手には、絶対の信頼感がある。

 ただ、相手選びはかなり迷う。昨秋川崎転厩、以後GIIIを連勝したユキチャン人気は当然だが、その「クイーン賞」「TCK女王盃」とも、最後おつりのない脚いろで、インパクト自体物足りなかった。現実に昨年6着。本質的に1600mは忙しい懸念も浮かぶ。

 逆にケイアイガーベラ、トーホウドルチェは、それぞれJRAダート5勝、オープン実績もあるが、ここまで明らかに短距離志向。ラスト1Fをどう乗り切るか。地方ダートは、この手のタイプ(快速型)に、しばしば厳しい結果を出してきた。J

 JRA残る1頭、ダイアナバローズは昨夏関東オークス9着と大敗し、以後芝2000m「紫苑S」で金星をあげている。

 深い砂では持ち味がおそらく出ない。思い切って薄目ならタカヒロチャームか。昨秋ツクシヒメに競り勝った「ロジータ記念」は、2100m2分14秒9=レースレコード。無欲の直線勝負、追い込み上手の桑島騎手にも期待感がある。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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