羽田盃(4月21日 大井 サラ3歳 定量 SI 1800m)
南関東3歳牡馬クラシック第1弾「羽田盃」。改めておさらいすると、現行の「羽田盃」→「東京ダービー」→「ジャパンダートダービー」、そう3冠路線が確定したのは02年からで、以後8年経過、徐々に“歴史”も築かれつつある。この間、3冠馬はまだ出ていない。3冠目「ジャパン…」がJRA交流になったから、“狭き門”も当然か。ただし今、ふり返って残念といえば、05年シーチャリオット。同馬は羽田盃、東京ダービーとも圧倒的な強さで独走し、3冠目直前、不慮の故障(左トウ骨剥離骨折)に見舞われた。結局その春「ジャパン」を制したのはカネヒキリ。タラレバながら、おそらく“名勝負”だったとイメージする。ちなみにシーチャリオットは、現在乗馬クラブで新生活を送っている(高橋華代子さんのブログを拝借)。良血、好馬体ながら、種牡馬への転身は叶わなかった。馬自身が思う(感じる)幸せ。もちろんそれはわからないことなのだが。
(1)…人気馬を信頼。1番人気[4-2-1-3]、2番人気[3-4-1-2]。アベレージは相当高いというべきで、このワンツー(馬単)が3度ある。平均レベル以上の年はおおむね順当。
(2)…近年は船橋優勢。船橋=6勝、2着4回、大井=3勝、2着4回。川崎も1勝、2着2回と悪くはないが、大井、船橋勢が連に絡まなかったことは、ここ10年に遡って例がない。
(3)…転入馬微妙。近年圧倒的にみえる転入馬(とりわけ道営)だが、実際は生え抜きが7頭優勝、必ずしも劣勢ではない。京浜盃組から連対10頭、別路線から連対10頭。上昇馬にも注目。
(4)…自在脚質。逃げ=5、先行=4、差し=8、追込=3。ペースはおおむね落ち着くが、近年、差し→追込タイプにむしろ分がいい。あえていえば3〜4角、捲りが理想か。
※データ推奨馬
◎シーズザゴールド…データのどこを重視するか微妙だが、同馬は道営2戦1勝、転入後力をつけた典型例で、大井生え抜きに近いともいえる。おそらく2番人気。コースを熟知した内田博Jが、早めにエンジンをかけそうだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎マカニビスティー
(56・戸崎)
○シーズザゴールド
(56・内田博)
▲リュウノボーイ
(56・森)
△ブンブイチドウ
(56・木村健)
△ポシビリテ
(56・松岡)
△ドラゴンキラリ
(56・真島)
△ガナール
(56・張田)
ナンテカ
(56・町田)
ショウリュウ
(56・的場文)
クリノテンペスタ
(56・今野)
マカニビスティーが一挙に主役へ昇るだろう。JRAダート3戦2勝、オープン「ヒヤシンスS」出遅れながら小差5着(3戦中2戦が上がり35秒台)。むろん鳴り物入りの転入だが、それにしても大井初戦「チューリップ特別=内コース1600m」は目を見張る強さだった。1コーナー11番手をゆったり回り、大外から持ったまま捲る圧勝劇(8馬身差)。結局戸崎Jのステッキは一発も入っていない。ゼンノロブロイ×ブライアンズタイムの血統背景。スリムでしなやか、中〜長距離向きを思わせる馬体と走法。今回外コース1800mなら、さらに持ち味が生きるはずだ。勝ちっぷりしだいでは、この路線初の3冠馬誕生も、十分な現実味を帯びてくる。
京浜盃組。勝者ジーエスライカーが早々と回避を決め(間隔を開けて東京ダービー、一本とのこと)、2着シーズザゴールドにチャンスが出た。前述通り大井転入で水を得た上昇馬。息の長い末脚、実戦向きのガッツが特徴で、昨暮れ1800mを1勝している自信も大きい。脈あり、だからこその内田博J起用。おそらくビスティーより一歩早めにスパートする。当時1番人気ブンブイチドウは、昨暮れGI全日本2歳優駿・2着からも実績上位。ただ同馬は依然折り合い、不器用さに課題を抱え、キャリア(11戦)のわりに完成度、安定性が案外低い。代わって▲は、前走川崎クラウンC・3着、切れ味のあるサッカーボーイ産駒リュウノボーイをとりあげた。以下、軌道に乗ったポシビリテ、一貫王道を進んで崩れないドラゴンキラリ。JRA芝挑戦など貴重な経験を積んできたガナールも、気楽に乗って一発がイメージできる。