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羽田盃・回顧

  • 2010年04月26日(月) 00時00分
 羽田盃(4月21日 大井 サラ3歳 定量 SI 1800m重)

○(1)シーズザゴールド 1分53秒7
◎(2)マカニビスティー ハナ
△(3)ブンブイチドウ 5
(4)ウインクゴールド 3/4
△(5)ドラゴンキラリ 1/2
…………………
△(6)ポシビリテ
▲(9)リュウノボーイ
△(11)ガナール
(12)ショウリュウ
(16)ナンテカ

単560円
馬複330円
馬単1240円
3連複500円
3連単3870円

 シーズザゴールドが、マッチレースを競り勝ち第1冠をゲットした。印象、結論を先に書けば、今回“ハナ差”は、内田博Jの勝負勘と執念が大きいだろう。4コーナー馬なりで抜け出したマカニビスティーめがけ渾身のステッキ。いったん楽勝態勢にみえた相手を追い詰め、抜き去り、最後差し返されたものの、いっぱいに凌ぎ切った。文字通り100%完全燃焼。マカニ=戸崎Jにもミスはない。ミスはないが、悔いとため息はおそらく残る。

 ほぼ一斉のスタート。内からショウリュウ、外からタケノアリュール、ナンテカ、さらにライトラン。結局ナンテカが押して主導権を握ったが、道悪のせいもありペースは速い(35.9〜48.4〜61.2秒)。シーズザゴールドは予測通り中団キープ、マカニビスティーは前走とほぼ同様、1コーナー後方をゆったり回り、道中も終始外々に進路をとる。3コーナー過ぎ、ナンテカの脚いろがにわかに鈍り、代わってマカニビスティーが抜群の手応えで先団を呑みこんだ。余裕たっぷりに直線先頭、しかしその後意外なドラマが待っていた。「初めての馬ですが、“感性”で乗ってほしいと言われました。相手(マカニビスティー)の動きはイメージ通り。最後きわどくなったけど、それは両馬とも力がある証拠でしょう」(内田博騎手)。1800m1分53秒7は水準程度だが、現実に3着は5馬身離れた。

 シーズザゴールドは道営2戦1勝で大井トレード。そこから大きく力をつけた。転入4戦目の前走「京浜盃」2着。勝ち馬ジーエスライカーの単騎逃げを1馬身1/4まで迫っている。ごく近年並みの南関東クラシック候補。ただそこにマカニビスティーが現われ、今回、素質比較、スケール比較が問われていた。「ライバルが強いので、正直自信はなかったです。でも内田Jは心底凄い。馬自身はいい脚を長く使うからダービー(2000m)向き。むろん本番も乗ってもらうつもりです」(荒山調教師)。父スキャターザゴールドは、短〜マイル向きの背景ながら、06年羽田盃優勝サンキューウィンを出している。3歳春、一挙にピークを迎えるタイプとも想像できる。

 さてマカニビスティー。冒頭“悔いとため息…”と書いたが、これに関しては、当事者(コメント)と観戦者、その想いがかなり違うかもしれない。「敗因は仕掛けが早くなったこと。道中外々を回っているし、今日は騎手(自分)が平常心で乗れなかった」(戸崎騎手)。何やら微妙。レース直後、記者の印象はむしろ逆で、4コーナー余裕の先頭、そこで一気にスパートすれば後ろはちぎれた…そんなイメージが即座に浮かんだ。いずれにせよ同馬は、ダート界3歳、全国レベルにおいても傑出した能力を持っている。悔しいハナ差を糧に、次走どう前進させるか。

 3着ブンブイチドウは、最後混戦の中突っ込んだものの、道中勝負どころでスッと動けず、不器用さは相変わらず。キャリアはともかく本質的に古馬になって…というタイプか。4着ウインクゴールドは前々を粘って健闘だが、着差自体がやはり大きい。あえて桑島→真島Jと新味を求めたドラゴンキラリも進展なし。現状はジリ脚がネックになる。「クラウンC」好走、ポシビリテ、リュウノボーイも、想像以上にクラシックの壁が厚かった。ガナールはJRA芝挑戦後、折り合いに難しさが出てしまった。ショウリュウは現時点で力不足。ナンテカもこの結果では早熟というしかない。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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