さきたま杯(5月26日 浦和 サラ4歳以上 別定 JpnIII 1400m)
「さきたま杯」は97年、当初から交流Gとして新設。以後13年間、ダート短距離路線拡充の流れとともに、そのグレードを着々と上げてきた。今年はGI馬スーニ登場。スマートファルコン、メイショウバトラーら“リピーター”との勝負が焦点になる。ただ直線が短く(コース自体が円形に近い)、ある意味特殊条件といえる浦和1400m。経験馬、実績馬のアドバンテージはやはり大きい。過去、レイズスズランが、00・02年と2度優勝、メイショウバトラーが、07年優勝、08年2着。さらに遡れば、セタノキングが、98年2着、99年優勝という記録がある。
(1)…上位拮抗。1番人気[3-2-1-4]、2番人気[4-2-0-4]、3番人気[2-2-1-5]。4番人気以下の優勝は1度だけで、1〜2番人気がそろって連対を外した例も2度しかない。軸馬をどれにとるか。
(2)…JRA断然。JRA=9勝、2着7。ほぼ独占の結果が毎年続く。南関勢の反撃は、川崎=1勝(04年ロッキーアピール)、2着1。他では名古屋=2着2と健闘だが、今年のメンバーをみると心もとない。
(3)…牝馬注意。活躍馬の年齢は広範で、4〜9歳、すべてに連対記録がある。強いていえば、3勝ずつをあげている6・7歳馬か。牝馬[2-2-0-10]も、アベレージの上では注目できる。
(4)…好位差し。逃げ=2、先行=7、差し=10、追込=1。純然たる逃げ切りは皆無で、直線だけの追い込みも03年ノボトゥルー1頭だけ(3コーナー9番手)。好位から器用に動ける馬が有力。
※データ推奨馬
◎メイショウバトラー…リピーターが強いこと。牝馬がハイアベレージを残しており、10歳の年齢も大きな減点にはならないこと。能力自体も、昨秋「南部杯=JpnI」3着、エスポワールシチー、サクセスブロッケンに続いたことを思えば、今回2強にヒケをとらない。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎スマートファルコン
58岩田
○スーニ
59川田
▲トーセンブライト
57北村宏
△ノースダンデー
56左海
△サプライズゲスト
56戸崎
△メイショウバトラー
55福永
△クレイアートビュン
56的場文
スリーセブンスピン
56真島
テイエムヨカドー
54森
スーニ対スマートファルコン。風評通り一騎打ちの公算がきわめて高い。前者は交流G5勝(JpnI・2勝)、後者は交流G自体すでに9勝。ともにこの路線のスペシャリストとしか言葉がなく、実際5月3日名古屋「かきつばた記念」も、両者の強さだけが際立っていた(3着以下に3馬身差)。どちらが強いか。これは見方と好みによるが、中距離までこなす総合能力、常に正攻法の逞しさ、記者自身はファルコン上位と考えている。いずれにせよ、今回をクリアすれば区切りの10勝。前述通り距離は不問で、「帝王賞」などGIロードへも再び挑戦を期待したい(3歳時・ジャパンダートダービー2着)。
馬券的には“3連単”しかないだろう。ファルコンが抜け出してスーニが差す、そうイメージすると、3着候補も絞られる。1400mベスト、スーニをマークして乗るトーセンブライト、経験豊富、データ好材料が多いメイショウバトラー。ただ後者の場合、昨秋「南部杯」以来休み明け。鉄砲使いはここまであまり動いていない。同じ久々でもノースダンデーは仕上がり早の気性で乗り込み入念。南関東同士にせよ1400m〜1600m、重賞3つを勝っており、地の利を生かせば善戦以上も浮かんでくる。もう1頭サプライズゲストは、展開上“波乱の目”として興味がある。前走「川崎マイラーズ」を逃げて2着。現状格下ながらダッシュ力は一級品。ファルコンのハナを叩いて行くか。父サウスヴィグラス、快速路線の成長株だ。