京成盃グランドマイラーズ(6月9日 船橋 サラ3歳以上 別定 SIII 1600m)
「京成盃グランドマイラーズ」は、97年創設のSIII。以後12年間、勝ち馬はサプライズパワー、アローセプテンバー、ネームヴァリュー、さらにエスプリシーズ、ナイキアディライト…意外なほど大物の名前が並ぶ。実績上位馬に有利な“格別定”が大きな理由(過去最重量=58kg)。ただ施行時季自体が春(6月)〜秋(10〜12月)を行ったり来たりで(昨年は10月・セレン優勝)、そのぶん重賞の“格”と“重み”が定まらない。改めてファイルを開き、ああそうだったか…と思うこと。06年は「京成盃スカイライナースプリント」で施行され、その年だけ距離1000mに替わっていた。重賞はやはり“伝統”が命であり、そうでなければファンも記憶と思い出を語り継げない。由々しきこと。ともあれ今回データは、その“06年”を除く9年間で集計した。
(1)…波乱含み。1番人気[3-1-0-5]、2番人気[4-0-2-3]は水準とみえるが、そのワンツーは1度もない(馬連含め)。3番人気[0-3-1-5]。高配当が目立つ。
(2)…地元優勢。船橋=7勝、2着7回。ほぼ絶対的な数字で、他は、大井=1勝、2着1回、川崎=1勝、2着1回。傑出馬がいない限り(03年川崎・エスプリシーズ)、ホームに絞れる
(3)…4歳馬。4歳=5勝、2着1回。以下は5〜8歳まで広範だが、“若さ”注目が基本になるか。ネームヴァリュー、セレンなど、ここを足がかり(初重賞)として飛躍した。
(4)…好位差し。逃げ=3、先行=4、差し=10、追込み=2。純粋な逃げ切りは07年ナイキアディライトだけで、4角6番手以降からの差し切りも、昨年セレンしかない。
※データ推奨馬
◎ブルーラッド…すべてには合致しないが、前述エスプリシーズ(川崎)級に育って不思議ない4歳馬。現実に昨秋GII「浦和記念」を横綱相撲で勝っている。体調さえ整えば自在。戸崎騎手は、同馬とのコンビ[4-1-0-1]。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ハチマンダイボサツ
52町田
○トーセンアーチャー
56坂井
▲レオエンペラー
56江田照
△ルースリンド
57内田博
△ブルーラッド
56戸崎
△ディアーウィッシュ
54今野
△チェレブラーレ
56張田
フリートアピール
56石崎駿
プライドキム
56有年
ロイヤルマコトクン
56繁田
微妙な顔ぶれ。ハチマンダイボサツから穴を狙った。JRA5勝、うち3つが1600m。おおむね芝志向だがダートでも新馬戦を勝っている。そして前走しらさぎ賞は転入初戦。レース自体のレベルは低調ながら(牝馬限定・浦和1400m)、自身久々(7kg増)、道悪、出遅れと二重三重の不利があり、そう考えれば、4コーナー7番手からの大外強襲(4着)は注目できた。父マーベラスサンデーは、SS直仔とするとパワー型の部類に入り、現実に南関東でラヴァリーフリッグ、セレンなどを出している。軽量52kg、いかにも手の合いそうな町田J(追い込み得意)。混戦一気をイメージすれば同馬だろう。
トーセンアーチャーはJRAダート5勝、正真正銘のOP馬。過去エスポワールシチー、シルクメビウス級とも接戦の記録がある。若干忙しい1600mだが(1800m・3勝)、能力比較からはいきなりの期待がかかる。同様にレオエンペラーもJRA・5勝。こちらは1400〜1800m、多様にこなせるスピード型で、小回りコースもイメージに合う。
南関東既成勢力。見渡して、格上はルースリンド(GI〜GII実績)、ブルーラッド(昨秋浦和記念制覇)だが、前者はさすがに9歳の年齢が気になり、後者は今季レースぶりがどうにも冴えない。それなら転入後3戦2勝、逃げ脚に磨きがかかったディアーウィッシュ、一昨年1500〜1600mで重賞を2勝しているチェレブラーレに妙味があるか。印が回らなかった馬では、船橋得意、すんなり行ける展開で一発があるフリートアピール。