ジャパンダートダービー(7月14日 大井 サラ3歳 定量 JpnI 2000m重)
○(1)マグニフィカ 2分05秒2
▲(2)コスモファントム 3/4
△(3)バトードール アタマ
△(4)ミラクルレジェンド クビ
△(5)トーセンアレス 1/2
…………………
◎(6)バーディバーディ
(7)ドラゴンキラリ
(8)プレファシオ
(9)ロックハンドスター
△ガナール 競走除外(感冒)
単2,080円
馬複6,630円
馬単16,830円
3連複12,260円
3連単104,680円
マグニフィカが逃げ切った。絶好のスタートを決め、文字通り完全燃焼。チャレンジャーの気楽さ、ホームの利は確かにあったが、それでも後続に終始マークされる中、最後二の脚を繰り出したあたり、ほぼ手放しで賞賛できる。「折り合いとリズムに気をつけて乗りました。素質があるのはわかっていたし、何より今日の仕上がりが素晴らしかった。直線あと1ハロン、後ろの足音が聞こえると、もう一度ハミをとって伸びてくれた」(戸崎騎手)。2000m・2分05秒2。自身東京ダービーの時計を2秒短縮。前開催時(帝王賞フリオーソ=2分03秒4)より1秒ほどかかる馬場と推測され、ひとまず数字上、レベル的にも満足できる。
マグニフィカの勝因は、2つ浮かぶ。「潜在能力の高さ」と「余裕のあるローテーション」。昨夏デビュー時4連勝、しかしハイセイコー記念→全日本2歳優駿で期待を裏切り、そこから立て直しを図っていた。思惑通りの充電効果。5月・始動した東京湾カップを5馬身差で大楽勝、さらに前走東京ダービー・3着で、十分なメドを立てていた。「状態に関しては、今回“100%”に近い自信があった。ただこの相手だから半信半疑。上手に乗ってくれました。フリオーソの後継者かな。馬に落ち着きが出ている」(川島正行調教師)。現時点でフリオーソとの比較は無理があるが、馬体、走法の印象など、フリオーソ=硬、マグニフィカ=柔、そんな感じか。そしてもう一つの話題。新種牡馬ゼンノロブロイは、東京ダービー(マカニビスティー)に続き、JDダービー馬も輩出した。何やら不思議。ロブロイ自身はダートとは無縁で、いかにも垢抜けた芝専用ランナーの雰囲気が強かった。サンデーサイレンスの懐の深さというもの。結局そこに落ち着くのだろう。
早めに動いたコスモファントム・2着、同様に先行策から直線インを伸びたバトードール・3着。終わってみればおおむね力通りと納得できる。ともにダート路線“超A級”とは少し差があり(例えばサクセスブロッケン)、特にコスモの場合、本質芝向きと判断すべきか。ミラクルレジェンドは惜しかった。スタートでつまずき、想像以上に後ろから。上がり37秒2はメンバー中最も速く、実際見た目でも、ゴール際の伸びは抜群の鋭さだった。もし好発なら勝ち負けに届いていたか。さて、1番人気のバーディバーディ・6着。道中外め2〜3番手は理想的だったが、直線を待たずして鞍上の手綱が激しく動いた。「結果論ですが、休みなく使ってきた疲れでしょうか。歩いているときも(パドック・本馬場)頭を下げて元気がなかった」(松岡騎手)。難しいものだと思う。実績を重ね、今回春の集大成をめざしたバーディバーディ。対していったん王道を離れ、今回総決算でピークに達したマグニフィカ。勝負とはやはり、いつもいつも微妙である。