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黒潮盃・展望

  • 2010年08月16日(月) 00時00分
 黒潮盃(8月17日 大井 サラ3歳 地方競馬交流 別定 SII 1800m)

「黒潮盃」は、99年から施行時季が4月→8月へ移行。クラシック入着組(断念組)による、秋へのステップレースとして定着した。かつては「京浜盃」「羽田盃」の中間に位置するクラシック最終TRで、その勝ち馬にはホスピタリテイ、ジョージタイセイ、ブルーファミリー…など、ビッグネームが並んでいる。ともあれ時季変更後、企画意図と裏腹に、優勝馬があまり大成していないことは少し寂しい(唯一例外は05年ボンネビルレコード)。ハイレベルとされる今年の3歳。“マグニフィカに続く馬”がひとまずテーマだ。

 (1)…近年波乱。1番人気[2-3-2-3]、2番人気[3-1-1-5]は水準だが、07、08年は人気薄(5番人気以下)の優勝で、2着もおおむね狂っている(馬単2度万馬券)。

 (2)…大井対船橋。大井=4勝、2着5、船橋=4勝、2着4。2場所でほぼ独占される。07年マルヨフェニックス(笠松)優勝。ただ他場所トータル[1-0-1-18]と確率は低い。

 (3)…経験重視。連対20頭中、15頭がクラシックを経験している。純粋な上昇馬同士の決着は06年だけ。牝馬[1-1-3-13]は微妙だが、昨年ツクシヒメ快勝はインパクトが強かった。

 (4)…差し馬。逃げ=2、先行=5、差し=10、追込み=3。04年キョウエイプライド(四角9番手)→アイチャンルック(12番手)の決着もあり、大井1800m(外回り)らしい傾向。

 ※データ推奨馬
 ◎ドラゴンキラリ…一連クラシックロードを皆勤の形で歩んだ船橋所属馬。羽田盃5着→東京ダービー7着→ジャパンダートダービー7着だから悪くなく、息の長い末脚、奥手血統(父ティンバーカントリー)も、好走馬パターンに合っている。勝ち味に遅いイメージで、実績に比して人気が薄い。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

◎ハーミア 54戸崎
○ジーエスライカー 58坂井
▲ドラゴンキラリ 56真島
△ツルオカオウジ 56町田
△ラヴェル 56石崎駿
△セイントメモリー 56森
△リュウノボーイ 57張田
ロックハンドスター 57菅原勲
ツルマルオペラ 56御神本

 牝馬ハーミアを狙った。前走「関東オークス」1.1/2差2着。結果、JRAシンメイフジの底力、ダート適性が想像以上ということだが、ハーミア自身も2100mを2分13秒4のレースレコード級の走破タイム。08年ユキチャン(2分14秒7)を大きく上回ったのだから価値がある。当時馬群の真っただ中、終始もまれる展開をひるまず伸びたあたりも、心身両面の逞しさを感じさせた。フィガロ×ジェイドロバリー、いわゆる流行りの良血ではないものの、逆にこうした背景の馬は意外な成長力を秘めている(父からアンパサンド)。ハーミアの場合、道営でデビューして2勝、転入後1、2、2、2着だが、敗れた3戦すべてインパクトが強かった(3走前大井2着など明らかな油断負け)。牝馬は昨年ツクシヒメが優勝している。今回54kgも他馬との比較上、きわめて有利だ。

 ジーエスライカーは1700m「京浜盃」をシーズザゴールドに完勝したスピード馬。父サウスヴィグラスながら折り合いのつく気性で、現実にその京浜盃も、ゴールぎわ二の脚を伸ばしている。ただ京浜盃力走後、体調が整わずクラシック回避、ここでそのブランクがどう出るか。予想上、能力重視で“○=対抗”としたが、ごく普通には“▲=単穴”が妥当かもしれない。

 データ推奨馬にあげたドラゴンキラリは、馬券的に今回盲点のムードがある。前述通りクラシックロード皆勤、ジリ脚で歯がゆい反面、安定したレースぶり。父ティンバーカントリーならもう一段上積みを期待していい。ツルオカオウジ、ラヴェルは春後半からの上昇馬。とりわけ父メイセイオペラの前者は、前走古馬相手1800m快勝、いかにもパワー型をイメージさせる。門別→盛岡(3→1着)遠征で結果を出したリュウノボーイも怖いが、さすがに強行軍のステップで気配重視か。大井2度目ロックハンドスターは、変わらず菅原勲J鞍上。前走ジャパンダートダービー大敗後だが、岩手8勝の実績など(本来が先行型)、まだ見限れない部分はある。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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