アフター5スター賞(9月1日 大井サラ3歳以上 別定 SIII 1200m良)
◎(1)ヤサカファイン 1分11秒5
(2)ナイキマドリード 2.1/2
○(3)スーパーヴィグラス 1.1/4
(4)ロイヤルボス ハナ
△(5)ケイアイジンジン 1
…………………
△(7)コアレスピューマ
(8)ラストキング
▲(13)クラフィンライデン
△(15)ナカヤマパラダイス
△(16)ラインドライブ
単440円
馬複1,550円
馬単3,130円
3連複1,980円
3連単11,730円
ヤサカファインが、中団キープから直線豪快に突き抜けた。同馬は、重賞挑戦2度目(3月・東京スプリント盃5着)にして初タイトル。デビューから一貫短距離路線で切れ味を磨かれ、実際、1200mでは通算[6-3-1-1]という好成績を残していた。そしてこの夜、見事に夢を叶えてみせた。
激しい逃げ争い。スリーセブンスピンが押して押して先手を取り、2番手コアレスピューマ、以下固まってケイアイジンジン、ラインドライブ、スーパーヴィグラス。3F通過34秒4はやはり速く、結果、差し馬が直線一気に台頭した。ヤサカファインは 大外枠だったが、無難なスタートからそう大きくは離されず、何より3〜4コーナー、機敏にインへ切れ込んでいく、鞍上の判断が素晴らしかった。直線あと1ハロン、馬群がほどけたところでワンツースリーの瞬発力。「道中スムーズに進めたし、最後もうまく前が空いた。嬉しいです。これまでで一番いい脚を使ってくれた」(石崎駿騎手)。1200m1分11秒5も、SIIIとしては水準以上(昨年当レース=1分12秒3、勝ち馬ケイアイジンジン)。文字通り“人馬一体の勝利”といえる。
ヤサカファインは、ブラックタキシード×ニホンピロウイナー。血統的には速さと強さ、両面を備えたタイプだろう。基本的に速い時計のサバイバルレース向き、しかし行きたがる気性ではなく、むしろじっくり乗って爆発力が生きてくる。「もちろん期待はしていたけれど、それ以上の勝ちっぷり。(石崎)駿が、育ててくれた部分もあると思う」(鷹見浩調教師)。展望記事でも書いたことだが、記者個人的には、駿騎手は、通算6000勝以上を挙げている父・石崎隆之Jと似て、“追い込み得意”の印象を持っている。常に相手と展開を見据えながら、(たとえ下級条件でも)“作戦”を十分練って勝負すること。いずれにせよ同馬は、駿Jとのコンビで着実に前進した。今後順調なら「東京盃=JpnII」に歩を進める。
2着ナイキマドリード。初重賞、別定55kgでの連対だから文句なく、道中外々を回るロスさえ響かなければ勝ち馬にもう少し肉薄できた。△をつけておけばよかった…が記者の本音。もう一つ、種牡馬ワイルドラッシュは今季南関東でブレイクが目立ち、こうした傾向は素直に信じて(迷ったら買う)おおむね正解と常々思う。スーパーヴィグラス3着。いわく絶対能力は勝ち馬と小差だが、器用でレース上手な半面、乗り役は難しい。「勝ちにいく競馬をしたが、(ペースが)速いから我慢すればよかった」(張田J)。逆にロイヤルボスは、直線大外から伸びて意外な健闘。単に前崩れ…とは言い切れない鋭さで、この路線(SIII・短〜マイル)なら、もうひと花咲かすことも考えられる。ラインドライブは、スタートこそよかったものの行き切れず揉まれる展開。JRA5勝、潜在能力は認めても、しばらく手探り(距離適性含め)の戦いになる。