日本テレビ盃(9月23日 船橋 サラ3歳以上 別定 JpnII 1800m稍重)
◎(1)フリオーソ 1分48秒8
△(2)トランセンド 2.1/2
○(3)スマートファルコン ハナ
△(4)テスタマッタ 6
▲(5)ボンネビルレコード 1.1/2
…………………………
△(6)ブルーラッド
△(7)シビルウォー
単250円
馬複400円
馬単670円
3連複450円
3連単1,950円
フリオーソが完勝した。2番手キープからどっしり落ち着いた横綱相撲。ごく客観的には(ひいきで見ているとドキドキするが)、危ないようなシーンがまるでなかった。相手、距離、コース、状況は大きく変わったものの、さながら前走「帝王賞」のVTR。正真正銘、交流ダート重賞、その頂点に昇り詰めたということだろう。言わずもがな次走「JBCクラシック」は地元船橋、同距離1800mで行われる。これ以上ない好発進。夢と期待が大きくふくらむ。
無難なスタート。鞍上はまず少し気合をつけて周囲の出方ををうかがった。内からトランセンドが先行態勢。スッと引き、そこで瞬時に折り合うあたりが馬自身、円熟、本格化の証明だろう。34秒2〜47秒3〜60秒3は、テンが速く、中盤は淡々、終い瞬発力勝負…、ハイレベルな交流重賞によくあるパターン。直線入口、フリオーソは絶好の手応えのままトランセンドに並びかけ、あと1F、GOサインとともに一気に弾けた。「レース間隔はあいていたが、返し馬に乗った時点で大丈夫、そういう感触がありました。他馬より重い58kgもびくともしない。すべてが本物になっている」(戸崎J)。1800m1分48秒8もレース史上第2位(自身一昨年1分47秒9)で、馬場状態の比較からはレコードに近いといえる。
フリオーソの戦歴。改めてふり返ると“連勝”が少ないことに一つ気付く。デビュー直後からオープンに昇り、大半が交流重賞(強敵相手)だったせいももちろんあるが、それにしても、期待すれば負け、半信半疑なら快勝…、そんな振幅が大きすぎた。理由は判然としない。体調の揺れか、精神面の不安定さか。ともあれ6歳秋、少なくとも帝王賞→日本テレビ盃連勝のレースぶりは、最高潮、絶頂期、真の王者…の言葉がしっくりくる。「強かったね。仕上げは9分くらいを意識したが、この勝ちっぷりなら自信が持てる。あとは本番に向けてじっくりいきたい」(川島正行調教師)。JBCは創設10年目。その“クラシック”、地方馬初の栄冠が、いよいよ(ようやくか)現実味を帯びてきた。
2着トランセンド。藤田J、先手必勝の作戦が功を奏した。地方初挑戦。ただ軽い馬場だったこともあり、ひとまず持てる力は出し切れた。バランスがよく競馬センスに優れた、優等生タイプの印象。パドックなどイレ込みもなくゆったり周回、典型的な中〜長距離型と判断できる。スマートファルコンは武豊Jが初騎乗。いかにも同騎手らしい無理のないレース運び(馬なり4番手)で、結果3着ながら次走(クラシック)へいい感触はつかんでいる。テスタマッタは7か月ぶり、8kg増。いわゆる立派すぎる体つきで、ピッチが上がった3〜4コーナーに、勝負圏から後退した。本番クラシックでどう変わるか。実力的にはもちろん足りるが、同馬の場合、ガッシリ筋肉質の体形など、本質マイラーの感もある。ボンネビルレコードは追走でいっぱい。一昨年の当レースを驚異のレコードで差し切ったが、さすがに8歳秋、純粋な時計勝負は厳しくなった。シビルウォーは、同じ地方初遠征でもトランセンドとはタイプが異なり、今回“経験”としかいいようがない。ブルーラッドは18kg増でも、まだ馬体が寂しく写った。交流重賞、力勝負になると今回6着が妥当なところか。