鎌倉記念(9月29日 サラ2歳 別定 地方競馬交流 SIII 1500m重)
(1)キスミープリンス 1分36秒1
○(2)シービスティー 1.1/2
△(3)ヴェガス 1
(4)オリークック クビ
▲(5)ライバック 1.1/2
……………………………
△(6)ブラックサンダー
△(7)キヌガサヒーロー
△(9)リックオンファイア
(12)ブルーサイレンス
◎(13)サントメジャー
単570円
馬複1,000円
馬単2,470円
3連複2,520円
3連単14,910円
キスミープリンスが快勝した。好位キープから、直線GOサインと同時に見事な差し切り。時計、レベルはさておき、いかにも“走る馬”を印象付ける内容だった。安定したレース運び、スムーズな折り合い。“2歳馬らしからぬ”という言葉がぴたりとハマる。
ほぼ互角のスタート。内からブルーサイレンスが先手をとり、キヌガサヒーロー、コアレスパトラーと人気薄が前を行く展開。36秒3〜49秒3〜61秒8、道悪を思えば平均ペースといえるだろう。キスミープリンスは持ったまま4番手、インの経済コースを確保して、そこから鞍上の指示をジッと待つ。3〜4コーナー、レースが動いた地点でも落ち着き払いどっしりしている。直線はまさしくワンツースリーのタイミング。一気に抜けて余裕残し。「手応えが終始よかった。センスがあって大人っぽい。理想的な競馬ができました」(戸崎騎手)。1.1/2馬身差。快勝であり完勝だった。
キスミープリンスは、これでデビュー通算[4-2-0-0]。記者無印…はスケール疑問と思ったためだが、結果的に情けない予想だった。完成度が高いこと、それゆえ初コースも問題なくこなしたこと。エース・戸崎Jの腕を割り引いても、レース勘、瞬発力など、無条件で賞讃できる。父ノーリーズンは、タニノギムレット世代の皐月賞馬。ムラでつかみどころのないイメージだが、その父ブライアンズタイムだから、地方ダートに良駒を送る可能性は十分あった。「砂をかぶってもひるまない。気持ち(精神力)の面で素晴らしいものを持っている。(レースは)安心して見ていました」(小久保調教師)。今後のテーマはやはり“成長力”になるのだろう。暮れの「全日本2歳優駿(GI)」優先出走権を獲得したが、現時点では今後は未定と聞く。
2着シービスティー。道中モッサリした行き脚で、しかし鞍上に檄を飛ばされながら3コーナー発進、直線インを伸びたパワーは合格点がつく。「終始前がつかえる展開。まともなら勝っていたと思う」(左海J)。客観的には微妙だが、それだけ脚が余っていたということか。3着ヴェガス、4着オリークックの末脚も悪くないが、降り続く強い雨で極端な道悪。次走良馬場、“仕切り直し”で、絶対能力がつかめてくる。◎サントメジャーは残念だった。道中5〜6番手外めはイメージ通り。しかし4コーナー大きく膨れ、一転圏外に去ってしまった。難しい。ただ、“故障”でなかったことは幸いとも思う。今後どういうローテを組んでくるか。「返し馬は問題なかった。ただ実戦でこの結果は…」(今野J)。気性面に案外難しいところがあるようだ。5着ライバックは引き続き注目したい。道悪をジワリと伸びて存在感。おそらく距離延長(大井向きか)で味が出る。