JBCクラシック(11月3日 船橋 サラ3歳以上 定量 JpnI 1800m)
01年創設、節目の第10回目を迎える「JBC」。今年は船橋競馬場、初の開催となった。コース形態、特徴をおさらいしておこう。一周1400m(内コース1250m)、左回り。全体にゆったり、オーソドックスな作りで、スパイラルカーブ(外ラチから内ラチへ緩やかな傾斜)を採り入れている。一言でいうなら、癖がなく走りやすい競馬場――。各ジョッキー(特に遠征してきたJRA騎手)も、ほぼ例外なくそう語る。今回クラシック=1800m。中でも紛れのない構造といえ、実際、同条件「日本テレビ盃」など、おおむね力通り、順当な結果が多い(初コースのアグネスデジタル、シーキングザダイヤら優勝)。4コーナー奥、引き込み線からスタート。1コーナーまで長い直線があり、枠順の有利不利も生じにくい。底力が問われるチャンピオンコース――。記者個人的には、元よりJBC開催にふさわしいと思ってきた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎フリオーソ 57戸崎
○シルクメビウス 57田中博
▲セレン 57石崎駿
△スマートファルコン 57武豊
△ラヴェリータ 55和田竜
△オーロマイスター 57吉田豊
△マグニフィカ 55今野
ボンネビルレコード 57的場文
アドマイヤスバル 57小牧太
クレイアートビュン 57張田
フリオーソを信頼する。まさしく絶頂期で迎える地元開催「JBC」。前2走「帝王賞」「日本テレビ盃」とも、厳しい流れを2番手からきっちり抜け出し、最後“独走”に近い余裕があった。なるほど過去「全日本2歳優駿」優勝を皮切りに、GI・4勝の星を残しているが、記者印象とすると、今のフリオーソはある意味“別馬”。スピード、瞬発力、磨かれたのは当然として、いざ実戦で示す“集中力”“勝ちへの執念”が大きく違う。このあたり、父ブライアンズタイム、晩成型の真骨頂かもしれない。日本テレビ盃、その再現をイメージした。同条件で戦える強運。とりたてて相手強化の感もない。
ただし、“相手強化”があるとすればシルクメビウス。同馬は昨夏大井JDダービーをテスタマッタの2着、さらに国際GIJCダートも2着している。ダートの追い込み馬としては当代No.1の印象が強い。事実、前走門別ブリーダーズGCはカネヒキリを直線だけでちぎってみせた。ぶっつけ、初コースがどう出るか。セレン、スマートファルコンの比較は微妙だが、前走東京記念の勝ちっぷりが素晴らしかった前者、対して強敵相手ではどこかふっ切れない後者、地の利も含めセレン上位の予想とした。オーロマイスターは、前走南部杯を除くとまだ“並みのダート巧者”と思え、盛岡→船橋、舞台が変わってあまり食指が動かない。むしろ近況からは、ラヴェリータが“牝馬の域”を超えたパワーを持っている。3歳マグニフィカは力試し。今回フリオーソの先導役になりそうだが、素質、意外性に期待して、最後の△を打ってみた。