スマートフォン版へ

勝島王冠・回顧

  • 2010年12月06日(月) 00時00分
 勝島王冠(12月1日 大井 サラ3歳以上 別定 SIII 1800m良)

(1)スーパーパワー 1分51秒4
○(2)ボンネビルレコード 1.3/4
(3)サイレントスタメン 2.1/2
▲(4)マズルブラスト アタマ
△(5)ロイヤルボス 1/2
 …………………
(6)クレイアートビュン
△(7)ルクレルク
(10)ツルオカオウジ
(14)バロズハート

単勝7,740円
馬複8,690円
馬単27,870円
3連複238,380円
3連単1,711,130円

 伏兵スーパーパワーが金星をあげた。A3から滑り込んだ形の格上挑戦。元より強靭な末脚には定評があったが、それにしてもこの日の切れ味は抜群だった。1800m・1分51秒4、多少軽めの馬場にしても胸が張れる快時計(昨年セレン=54秒1)。何よりGI馬・ボンネビルレコードに1.3/4馬身差だから、ほぼ手放しで賞讃できる。

 互角のスタート。バロズハートの逃げをグラストップガン、ツルオカオウジが追走し、以下、ルクレルク、マズルブラスト。スーパーパワーは中団よりやや後ろ、すぐ前にボンネビルレコードを見る格好の競馬になった。いつもより早めの位置取り。1000m通過61秒2は遅くもなく、この流れを馬なりで進めるあたり鞍上と呼吸が合う証拠だろう(初騎乗)。

「末脚がいいイメージは持っていましたが、それ以上に集中力がある。会心のレース。仕掛けてグイグイ伸びてくれた」(真島大輔騎手)。コメント通り直線あと1ハロン、進路が開けたところで一気に弾けた。自身上がり37秒0はメンバー中もちろん最速。恵量54kg(ボンネビル=58kg)にせよ、勝ちっぷり自体が鮮やかすぎた。

 スーパーパワーは、通算32戦13勝(JRA→兵庫→南関東)。南関転入当初から個性派のムードが漂い、今回大仕事も考えられなかったことではない。ただ前走B1下を1番人気で取りこぼし、そこで重賞初挑戦。評価しづらい、買いづらい面もやはりあった。「仕上がり、状態には自信があったが、この相手だから正直びっくり。でも勝ち方が強かったし、フロックとは思っていません」(鷹見調教師)。

 次走は優先出走権獲得した「東京大賞典=12月29日」挑戦がノータイムで明言された。実際この時計で走った以上、交流重賞でも善戦以上が期待できる。父スキャターザゴールド、母クチブエ(アサティス)。記者イメージでは、母系のよさがよく出たタイプか。

 ボンネビルレコード2着。勝ち馬のスパートに一瞬遅れ、直線馬群を捌くまで苦労した。それでも1800m・1分51秒7、自身衰えは感じられず、南関同士なら展開ひとつでもうひと花あるだろう。3着サイレントスタメンに光明が出た。混戦を縫って鋭い伸び。「これが突破口になってくれれば…」(金子騎手)。昨年逆転ドラマを創った東京ダービー馬。血統的(父レギュラーメンバー)にもここで終わってほしくない。

 マズルブラストは今回結果ひと息ながら地力安定。同馬は冬場に強い傾向もあり、明春「報知オールスターカップ」が改めての勝負だろう。◎に推したツルオカオウジは少し残念。平均ペースの3〜4番手、位置取りはよかったものの、直線入口で手応えが怪しくなった。古馬相手に対応する地力がまだついていないのかどうか。ロイヤルボスは1600mベスト。クレイアートビュンは他馬の成長にやや押され気味の感がある。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング