全日本2歳優駿(12月15日 サラ2歳 定量 JpnI 1600m不良)
△(1)ビッグロマンス 1分41秒2
○(2)リアライズノユメ 1.1/2
(3)キスミープリンス 1.1/2
▲(4)ガムラン 1/2
△(5)トウショウクラウン 3
……………………
△(7)リョウウン
◎(8)カネマサコンコルド
(9)オヤシオ
△(11)エルウェーオージャ
単620円
馬複1,010円
馬単3,070円
3連複4,840円
3連単32,870円
ビッグロマンスが完勝した。内からエルウェーオージャ、リョウウンの先行で、1000m通過63秒2のスロー。ビッグロマンスはその直後、リアライズノユメと並び絶好のポジションをスムーズに追走する。ここまでのレースぶり、そしてパドック、返し馬など、いかにも不器用な印象を持っていたが(相当に跳びが大きい)、現実にこの日の行き脚ならイメージ一新。直線入口、鞍上は前後左右、慎重に確かめて追い出す余裕があり、実際GOサインからの反応も素晴らしかった。「この馬場(不良)だから、もちろん前々がほしかったが思惑以上。キャリアを積み馬が力をつけている。スタートも五分に出たし、終始理想的な競馬ができた」(田中勝春J)。どちらかといえば“カミソリよりナタ”のタイプだろう。いい脚を長く使える。ひとこと危なげない勝利だった。
ビッグロマンスは、グラスワンダー×グリーンヒルマック、半兄サンライズマックス(エプソムカップなど重賞3勝)の良血で、祖母にはマックスフリート(東海15勝)の名前がある。前述通りデビュー当初ゲート難を抱えていたが、じっくり乗ってパワーが活きるダート路線選択で、素質が大きく開花した。「乗り役さん(田中勝春J)も言っていたけど、筋肉がついた、芯が入った、そんな感じ。何より成長力が頼もしい。今後はまだ白紙ですが、大きな夢が出てきました」(河野通文調教師)。1600m1分41秒2の時計は軽い馬場とすると平凡だが(同日古馬B3=41秒6)、道中スローを思えば一応の及第点か。現状“2歳王者”を決定づける裏書きはないものの、ビッグロマンス自身、まだまだ伸びしろが期待できる。
リアライズノユメ2着。4コーナー馬なり先頭、最後差し込まれたのは、牡馬牝馬、パワーの差ともいえるが、ことスピード、競馬センスの優秀さは改めて実証した。数字(445kg)以上に大きく映る体つき。父アフリート、距離も本来オールマイティと判断したい。3着キスミープリンスには驚いた。「鎌倉記念」快勝、しかし顔ぶれ、時計から低レベルゆえの印象が強く、戸崎J鞍上でも6番人気の評価だった。この時点の南関東馬が川崎1600mを41秒台で走り、それも道中5番手からしっかり伸びれば、翌春クラシックへの期待も十分浮かぶ。地味な血統(父ノーリーズン)、コンパクトな馬体(443kg)ながらレース上手で芯が強い。1番人気ガムランは、勝ち馬の直後から外めに持ち出す正攻法で追って案外伸びなかった。馬体、気配などはよくみえたが、精神面でまだ若いか。◎カネマサコンコルドはスタートに失敗。道中外々に膨れてしまい、最後差を詰めたものの4コーナーで圏外だった。右左、回りの問題があるかもしれない。翌春大井登場なら改めて注目する。つけ加えれば「ハイセイコー記念」圧勝、直前回避のセルサスは“左肩・跛行”、大事をとった軽症と聞いた。むろんタラレバ…ではあるけれど。