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東京大賞典・展望

  • 2010年12月27日(月) 00時00分
 東京大賞典(12月29日 大井 サラ3歳以上選定馬 定量 JpnI 2000m)

 地方競馬、文字通り総決算。近年直前に「JCダート」はあるものの(少しメンバーが薄くなる)、首都圏ファンなら、暮れの風物詩…的な感慨とともに、なじみ深いレースと思う。中央・地方全国指定交流競走に指定され16年目。JRA側からはキョウトシチー、ゴールドアリュール、ヴァーミリアン、勝ち馬は今思っても錚々たる顔ぶれで、しかし対して地方側も、アブクマポーロ、アジュディミツオー(連覇)、ホームの利を含め、逆転、雪辱は何度となく果たしている。いずれにせよラストGI。ごく客観的に形勢互角とみれば、地方勢を買いたくなるのが記者パターン。そしてまた馬券上(オッズ)、そちらに妙味があるとも例年思う。

 (1)…上位拮抗。1番人気[3-2-1-4]、2番人気[3-3-3-1]、3番人気[3-2-1-4]。伏兵の台頭は可能性が薄く、1〜3人気馬からどれを選ぶか。

 (2)…JRA馬。JRA=7勝、2着8。トータルするとやはり断然優勢で、他は、船橋=2勝、2着1、岩手=1勝、大井=2着1。地方勢の連対は“大物”に限られる。

 (3)…成長株。3〜7歳馬まで連対があるが、4歳=3勝、2着3と一歩リード。3歳馬も2勝、2着2と健闘しており、迷ったら若さと上昇度を買う手がある。

 (4)…JCダート組。直前「JCダート」に出走馬が8勝、2着7と圧倒的な良積を誇っている。その年の帝王賞馬は、過去10年=1、不、9、9、不、3、5、不、5、2着と信頼度が低い。

 (5)…先行差し。逃げ=3、先行=9、差し=7、追込み=1。大井2000mの鉄則通り、好位キープ、そこから二の脚を使う馬に有利。つけ加えれば、今回大井は軽い馬場(時計が必要)だ。

 ※データ推奨馬

 ◎バーディバーディ…JCダート健闘(4着)の3歳馬。大井コースも経験があり(JDダービー6着)、先行差し、自在に動ける。ブライアンズタイム産駒は、地方GIにきわめて強い。


◎フリオーソ 57戸崎
○シルクメビウス 57内田博
▲スマートファルコン 57武豊
△アドマイヤスバル 57小牧太
△ワンダーアキュート 57和田竜
△バーディバーディ 55池添
△ボンネビルレコード 57的場文
スーパーパワー 57真島
サイレントスタメン 57金子
タートルベイ 57御神本
ゴルトブリッツ 57藤田

 フリオーソを推す。今回の場合、大きなひいきは入っていない(と思う)。「帝王賞」「日本テレビ盃」とも、厳しい流れの先団から力で抜け出し、文字通り究極の強さをみせたこと。とりわけ後者は、後に「JCダート」を勝つトランセンドを2.1/2馬身差、横綱相撲で退けたこと。当時船橋1800m1分48秒8もほぼ極限の数字といえ、いわゆる“三段論法”なら、日本ダート界、その頂点という見方さえ成り立つ。

 もちろん評価がわかれる部分は残る。本番の前走「JBCクラシック」、スマートファルコンに7馬身ちぎられた事実。ただ、当時ファルコンは1000m通過58秒1、意を決した大逃げで、対してフリオーソは1番人気、予想外の相手の動きに、少なからず戸惑い、翻弄されてしまったうらみがあった。言葉を変えれば、これこそが勝負のアヤ…ということか。この2頭、中距離における純粋な能力比較は、7対3(あやふやな表現だが)で、フリオーソ上位とみたい。もう一つ、今回大井は砂の浅い高速馬場。
2000m2分02秒9(3歳時・JDダービー)がある以上、条件的にもこちらが有利だ。

 先行(スピード)馬並び立たず…と考えれば、シルクメビウス。ダートの追い込み馬としては当代No.1を思わす切れがあり、昨年JDダービー、テスタマッタの2着だから大井適性も申し分ない。そして何より今回鞍上に内田博Jを配してきた。

 次いでアドマイヤスバル、ワンダーアキュート。前者は地方Gの経験豊富で自在性に強みがあり、後者も重賞2勝を含むダート7勝、中〜長距離向き(2000m=3戦2勝)の成長株だ。データ推奨バーディバーディも侮れないが、今春JDダービーは案外な失速で、地方ダート、歴戦の古馬相手となるともう一段パワーがほしい。

 それならボンネビルレコード。8歳ながらその鬼脚は9分通り健在で、現実に今春帝王賞3着、カネヒキリを脅かした。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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