ユングフラウ賞(2月9日 浦和 サラ3歳牝馬 別定 SIII 1400m)
「ユングフラウ賞」は09年、準重賞→SIIIへ昇格されてまだ2年。しかし浦和桜花賞TRとしての歴史は古く、第1回が90年、遡って77〜89年「桃の花特別」というタイトルで、その役割を荷ってきた。1〜3着馬に、本番優先出走権。過去10年、ユングフラウ→桜花賞連破は15年メモリヒメだけだから直結しないが(浦和コース形態、1400m→1600mで違うためか)、例えば道営からの転入馬など左回り初体験のケースが多く、そう考えると、ここを使う意味もやはり大きい。データは準重賞時代を含めた“10年間”とした。追記すれば今年の場合、先週大井「桃花賞」が行われ、マニエリスム優勝、2着ナターレ。この2頭にも本番優先出走権が与えられる。
(1)…上位拮抗。1番人気[3-2-0-5]は合格点だが、2番人気[0-1-1-8]と低調で、代わりに3番人気が[4-1-0-5]と補完する。波乱含みの見方が妥当か。
(2)…川崎注目。4場所すべて勝者、2着馬を出しているが、川崎=4勝、2着2と一歩リード。ただアベレージは[3-3-1-14]の大井ともいえ、現実に昨年はワンツーだった。
(3)…転入馬。北海道からの転入馬=5勝、2着2という数字は重みがある。優勝馬の平均キャリア=8.2戦、同2着馬=5.7戦。経験を積んでいる馬にアドバンテージ。
(4)…先行型。逃げ=6、先行=7、差し=6、追込み=1。基本的にスピードと器用さが不可欠で、昨年もバックアタック→レッカ、結局先行2頭が粘り込んだ。
※データ推奨馬
◎マツリバヤシ…近年“成功例”がひときわ目立つ、道営→川崎の転入パターン。
同馬は実績自体も文句なく(JpnIIIエーデルワイス賞2着)、先行差し自在、レースぶりにも幅がある。鞍上・今野Jは牝馬に乗って、ことさら腕をみせるイメージか(ユキチャンなど)。現実に一昨年、このレースをモエレエターナルで勝っている。
◎クラーベセクレタ 56戸崎
○マツリバヤシ 54今野
▲マルヒロブライティ 54森
△オリークック 55御神本
△フロレアル 54左海
△ゴールドターフ 53町田
△トーセンノーブル 53C・デムーロ
クラーベセクレタが、本番(3月23日・桜花賞)へ向け、どう勝つかというレースになった。昨暮れ「東京2歳優駿牝馬・SI」は文字通り横綱相撲。道中馬なりの2番手から、直線ほんのひと気合で後続を3馬身ちぎっている。道営3勝、重賞「フローラルC」を制し、「エーデルワイス賞・JpnIII」4着。むろん前評判は高かったが、イメージ以上の速さと強さを兼ね備え、何より競馬センスが素晴らしい。その道営時、JRA芝2戦(7、8着)はともかく、ダートで敗れたエーデルワイス賞は、出遅れがおそらく大きい。現実に前走優駿牝馬、まったくそんな気配(ゲート難)がなかったあたり、一過性のポカ、さらに転入(川島正行厩舎)後、精神面で成長したと納得できる。父ワイルドラッシュは、昨年トランセンドのJCダート制覇など、いま勢いにあふれている。今回左回りをクリアすれば、本番でもいっさい死角なしの評価に落ち着く。
マツリバヤシは、前述通り道営→川崎、このレースに最も強い転入パターン。対クラーベセクレタ、過去1勝3敗、まだ勝負付けが済んだとは言い切れず、前走(優駿牝馬3着)に関する限り、窮屈な内枠で脚を余したうらみがあった。父スマートボーイ、緩急自在に動き、本来レース上手という印象。2kgの斤量差を思えば、逆転の可能性もないではない。
実績と潜在能力、さらに完成度。正直“わかりやすすぎる…”組み合わせで、馬券をどう買うか(あるいは“見”か)、逆に難しくなってしまった。3連単、クラーベセクレタ→マツリバヤシ→マルヒロブライティ…。仮に低配当(5〜6倍?)でも、まずそれに1票を、記者結論とする。マルヒロブライティは、デビュー2連勝、ローレル賞2着、優駿牝馬5着。前々を進んで粘り強く、左回りに実績がある点でも、差のないレースが期待できる。