いつの世にもビッグネームの影に隠れてしまうナンバー2はいるものだ。
競馬の着順は、勝ち馬が出走していなければ2着馬が繰り上がるような単純なものではない。
しかし、ダービーや菊花賞で2着だったウインバリアシオン陣営にとって「オルフェーヴルさえいなければ」と、思わず考えてしまうこともあるだろう。
いつの世でも、ナンバー2には光があたることはない。
そして、いつの間にか人々の記憶からも消えていく。
同じ世代に生まれたことを恨むしかない。
今年も世界の名騎手を招待してワールド・スーパー・ジョッキーズ・シリーズ(WSJS)が行われる。
JRAからは東西リーディング上位騎手と、現在行われているサマーシリーズの中で最もポイントを獲得した騎手だけが参加することを許される。
一方、地方競馬からは「スーパー・ジョッキーズ・トライアル(SJT)」という4戦からなる代表騎手選考レースを勝ち抜いた1名だけが参加できる。
地方の騎手にとっては、WSJS参戦は非常に狭き門なのだ。
しかし、それ以上に選考レースに参加するのも大変に険しい道のりでもある。
SJTに参加できるのは、各地区のリーディング・ジョッキー各1名だけなのだから。
まずは、各地区で頂点を極めるほどの名手でなければ、世界の名手と腕を競う資格もない。
非常に合理的な考え方ではある。
ところが今年から、「SJTワイルドカード」という面白い試みが始まるという。
各地区の2番手を集めて競わせ、優勝者にSJT参戦のチャンスを与えるという企画だ。
例えば、兵庫地区のトップ木村健騎手の勝ち鞍は現在137勝。
同地区のリーディング2位は田中学騎手で126勝。
しかし、126勝というのは、全国リーディングでも5位の優れた成績なのだ。
去年までは全国5位でも、地区2位の騎手にはチャンスすら与えられなかった。
ところが、今年から始まるワイルドカードを勝ち上がれば、地区2位でもSJTへ駒を進めることができるようになった。
そして各地区のトップジョッキーたちを相手にSJTを優勝すれば、華やかな中央競馬のWSJSで世界の名手と腕を競うこともできる。
この仕組みでナンバー2にも光があたるチャンスが与えられた。
そのチャンスを活かして全国にその名を轟かせるナンバー2が現れるのか。
このシステムは非常に興味深い。
ケイバにどっぷりの人です。気の向くままにコラムというか、思ったことを書き綴ることがあります。現在、ブログは休眠中。しばらくは、ここのコラムを使って忘れた頃に書き綴る予定です。ブログ...
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