ある年には、力の違いをみせつけられ、絶望的な敗北感を味わった。
ある年には、日本競馬の最高傑作で挑みながらも、世界に屈した。
ある年には、予期せぬ大善戦に歓喜する。
ある年には、誰もが勝ったと思った直後にやってきた、まさかの沈黙。
凱旋門賞に挑んだ日本馬たちの数だけ、それを応援したファンの歴史があるように思う。
今年は日本から2頭の馬が挑戦する。
どちらも現地での前哨戦を快勝し、本番でもチャンスがありそうだ。
重量が有利な3歳で挑むキズナには、日本競馬界の至宝・武豊騎手が騎乗する。
なんと言っても、彼があのディープ産駒で凱旋門賞に挑むのだからファンは注目する。
「騎手・武豊」が、どん底からの復活を強烈にアピールしたのがキズナでのダービー制覇。
その表彰式直後のインタビューで彼はこう答えていた。
「キズナが僕らをダービーで勝たせてくれた。今度は彼を世界一にしてあげたい」
その言葉は現実のものになるのだろうか。
もし勝てれば、こんなに絵になる話はない。
競馬の神様は、ファンの想像を遥かに超えた結末で、今まで何度も我々を感動させてきた。
もしかすると・・・。
去年のオルフェーヴルのレースをみると「今年こそは」と期待せずにはいられない。
おそらく日本中の競馬ファンの思いは同じではないだろうか。
「あの馬が勝てないはずがない」
敵は彼自身の桁外れの個性だけだろう。
世界で勝利に一番近い位置にいる馬がオルフェーヴルなのだと私は信じている。
しかし、あのディープインパクトでさえ勝たせてはもらえなかった最高峰レースが舞台なのだ。
日本の馬に、勝利の女神は微笑みかけてくれるだろうか。
さあ、ぬか喜びはもう要らない。
歴史の扉が開く瞬間が待ち遠しい。
今年こそ、その時がやってきて欲しい。
我々は遂にそれを「目撃」する。
きっと。かならず。
ケイバにどっぷりの人です。気の向くままにコラムというか、思ったことを書き綴ることがあります。現在、ブログは休眠中。しばらくは、ここのコラムを使って忘れた頃に書き綴る予定です。ブログ...
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