土曜日にクロタカという馬が中山で４馬身差の圧勝を飾った。
こんな馬がいたのか？と思って馬柱を調べると公営競馬から転戦してきた馬だった。

門別競馬で１２００ｍのデビュー戦を２着の後、同じ距離を使い続けて一気に９連勝。
その後は公営の中では賞金レベルの高い大井へ転戦。
そこでも１２００ｍを中心に５連勝を飾り、あわせて１４連勝で中央入りしていた。
この馬が圧勝した土曜の中山競馬もダートの１２００ｍだった。

ところが、この馬は中央入り初戦ではなかった。
どういった事情があったのか知らないが、７月の福島で、なぜか１７００ｍを使っていた。
レースは５番人気に支持されながらも１０着と大敗している。

それがどの程度影響したのか、土曜のクロタカは得意の距離に出走したにも関わらず、２番人気の評価でしかなかった。
もし、最初から１２００ｍを使っていたら圧倒的な１番人気だったかも知れない。

わざと負けることは言うまでもなく八百長だ。
だが、実力馬をまだ実績がない未知の距離に出すことは、ルール的に何の問題もない。
たとえ距離が原因で負けたとしてもだ。

先々のことを考えて、まずはいつもより長い距離を使ってみたかったのかも知れない。
あるいは、調教の手応えから１７００でも問題ないと関係者が考えたのかもしれない。
真相は闇の中だが、もし意図的に人気を落とすために一度負けさせたのだとしたら、ファンはどんどん離れてしまうだろう。

実際にはそんな意図はなかったかも知れないが、それを疑われるような使い方をしたこと自体に競馬関係者の自覚のなさを感じてしまう。
これでは、競馬人気の復活は程遠い。