フェブラリーSでのテスタマッタのレースぶりは圧巻だった。セイクリムズンが飛ばして先行勢総崩れの展開なら、シルクフォーチュンの直線一気が決まるところだが、テスタマッタは4コーナー後方3番手からシルクフォーチュンより一瞬早く進出し、2頭の上りはまったく同じ35秒7。仕掛けのタイミングで2馬身差がついた。3歳時に大井のジャパンダートダービーを制し、その後しばらく勝てないレースが続き、昨年の勝ち星は震災の影響で阪神で行われたマーチSのみ。その勝てない時期のテスタマッタとは明らかに変わった。ちなみに岩田騎手はテスタマッタに過去7回騎乗して、デビュー2戦目の芝のエリカ賞こそ4着だったが、ダートでは6戦していずれも3着以内と崩れたことがない。
ランフォルセは、ダートで堅実な成績を続け重賞級まで出世したが、ここ2戦でいよいよ本格化。前々走川崎記念は、スマートファルコンには離されたもののフリオーソを交わして2着。前走ダイオライト記念は、フリオーソ、ワンダーアキュートとともに4番手以下を離して息の入らない厳しいペースで先行。他の2頭は直線で失速したが、ランフォルセだけは最後まで粘ってピイラニハイウェイの追い込みを振り切った。函館1700mのマリーンSでのレコード勝ちがあるように、この距離も問題ない。
シルクフォーチュンは、常に追い込んでどこまでという競馬。昨年のプロキオンSで重賞初制覇を果たして以降、3着を外したのは武蔵野Sのみという堅実な成績。東京で行われた南部杯でトランセンドに0秒1差の3着、そして前走フェブラリーSで2着と、GI(JpnI)タイトルを狙える位置にいる。
このレース連覇を狙うフリオーソは、川崎記念、ダイオライト記念で直線失速という、らしくない競馬。今年は2歳時から7年連続ダートグレード制覇の記録がかかっているだけに応援はしたいが、ここ2戦の内容から強くは推せない。
エスポワールシチーもGI(JpnI)5連勝のときの勢いがない。とはいえアメリカ遠征以外では崩れたことがほとんどないので、今回も上位争いには加わるだろう。
ピイラニハイウェイは、今年7歳にして重賞初制覇。その佐賀記念は川田騎手の好判断、好騎乗。前走ダイオライト記念2着は、ワンダーアキュート、フリオーソが失速という展開の助けがあってのもの。JpnIでどこまでやれるか。
◎04.テスタマッタ
○11.ランフォルセ
▲08.シルクフォーチュン
△06.フリオーソ
△07.エスポワールシチー
△10.ピイラニハイウェイ