今、もっとも注目されている若手騎手といえば4年目の松山弘平騎手と3年目の川須栄彦騎手。今月はおふたりに登場していただき、様々なことを聞いていきます。4回目は、お互いの騎乗について語ってもらいます!
――お互いの騎乗を見て、デビュー当時と変わった点はありますか?
川須 松山先輩がデビューした時、僕は競馬学校にいたので、実際には見ていないんですけど、松山先輩はJRA新人賞も獲って、とにかく勝っているなという印象でしたね。生意気ですけど、僕もそれぐらい勝てるかなと思っていたんですけど、そんなうまくはいきませんでした(苦笑)。とにかく、松山先輩は、折り合いをつけるのがすごく上手で、ステッキの使い方も上手いです。
松山 俺、ステッキの使い方、そんなに上手くないやん!
川須 そんなことないですよ。それに松山先輩は手足が長いし、体も大きいから、そこは利点ですよね。
――ステッキの上手い下手はどこで見るんですか?
川須 馬の反応が悪くなった時に、あわてないで瞬時にステッキを入れられるかどうかでしょうね。馬は苦しくなってくると、フラフラするんですけど、松山先輩の場合は、しっかり我慢させているし、勝負どころでは内を開けないですから。
松山騎手「川須騎手は努力家」
――松山騎手は、川須騎手の騎乗をどう思いますか?
松山 1年目のころから、仲が良かったので、見ていたんですけど、昔から努力家ですよね。トレーニングも毎日していますし、何よりも研究熱心です。自分が乗ったことがない馬も知っていますから。レース前に勉強して、乗っているなと思いますね。
――川須騎手は豪快なイメージ、松山騎手はしなやかなイメージがあるんですが、騎乗スタイルは真逆ですか?
川須 真逆というわけではないですけど、やっぱり違いますよね。
――今後、勝ち星を増やすためには、何が必要だと思いますか?
川須 やっぱり余裕じゃないですかね。勝てない時期もあるでしょうし、良い時もあるでしょうけど、どのような時でもいかに余裕をもって騎乗できるかだと思います。あとは、いい馬に巡り合えるかどうかでしょうね。乗りたくても、場所が違っていたり、乗り替わりがあったり、権利を獲った馬が2頭いたり。かみ合うときは上手くかみ合うでしょうし、かみ合わないときはかみ合わないんで。ひとつ、ひとつを考えていると、きりがないので、いかに平常心でいられるかでしょうね。
松山 僕も余裕を持って乗れるようにならないと、とは思いますね。余裕がないから騎乗停止になったりすることもありますから。もうちょっと、自信を持って乗れるようになりたいですね。
――川須騎手は腹が据わっている感じはしますね。
川須 腹黒いとよく言われます(笑)。
――松山騎手は、最近競馬関係者の間で、評判が高いですよね。
松山 本当ですか? ありがとうございます!
川須 そうやって、周りの目が変わっていくんですよね。
松山 何も変わってないんだけど(苦笑)。
川須騎手「輝いて見えます」
川須 勝っていると、オーラというか、輝いて見えますよね。それに勝ち続けていると、余裕も出てきますし、自信にもなりますから。今の松山先輩はかっこいいです!
松山 ありがとう(照笑)。
――今の自分に足りないものはありますか?
川須 やっぱり技術が足りないですよね。先輩方に比べたら、まだまだです。勝ち星以上の技術の差があります。経験が違うので、仕方がないんですけど…。
松山 今は勢いだけで勝っているというのもあるからね。
川須 ある程度、経験したら技術も備わるのかもしれないですけど、まだその域に達していないので。5年後くらいに、そうなっていたらいいですね。