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マッチレース

  • 2013年06月28日(金) 12時28分
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今週は函館で巴賞が行われる。
巴賞といえば、1981年のレースほど強烈だったものはない。
前年の桜花賞馬ハギノトップレディと、無敗でその年の桜花賞を勝ったブロケードとの対決の舞台となったのがそのレース。
ゲートが開いた瞬間から2頭の桜花賞馬が、時には互いの順位を入れ替えながらも、終始先頭と2番手をキープし、それがゴールまで続くという本当に痺れるレースだった。

レースは好枠のトップレディがスタートから逃げの手に出ると、スッと2番手にブロケードがつけた。
トップレディは千mのデビュー戦をいきなり日本レコードで勝ち上がり、僅か2戦のキャリアで桜花賞を勝った快速馬なのだ。
古馬になってもその快速ぶりは衰えず、2番手のブロケードをあっという間に引き離す。

ところが、3角手前でブロケードが一気に勝負に出る。
その差をみるみる詰めて上がっていくと、そのまま交わして先頭に踊り出て、今度はブロケードがトップレディを引き離しにかかった。
こういう展開になると、逃げていた馬というのは脆いものだ。

ところが、トップレディは並みの馬とは違った。
4角で再びブロケードに外から襲いかかり先頭を奪おうとする。
今度はブロケードの騎手の手が激しく動く。
内外のコース取りで、なんとか1馬身程度の差をキープしたままブロケード先頭で両馬は直線に向いた。
函館競馬場の直線はとても短い。

懸命に逃げ込もうとするブロケード。
もう一度追いすがるトップレディがその差を詰めていく。
馬体が併う。
先輩桜花賞馬がきっちりと捕らえたところが巴賞のゴールだった。
その着差はアタマ。
ハギノトップレディ59キロ、ブロケード55キロを背負っての痺れるマッチレースだった。


日本では2頭立てのマッチレースはレースとして成立しない。
馬券が売れないからだ。
しかし、こんなレースを見せられたら、馬券の発売がなくても2頭立てのレースも大歓迎だと思ってしまう。

たとえば、ゴールドシップ 対 オルフェーヴル。
この2頭立てのレースが実現したら、馬券発売がなくてもファンは歓喜するのではないだろうか。
オッズも配当もないレースにだって、競馬の愉しみ方はいくらでもあるはずなのだ。

幕間競馬
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ケイバにどっぷりの人です。気の向くままにコラムというか、思ったことを書き綴ることがあります。現在、ブログは休眠中。しばらくは、ここのコラムを使って忘れた頃に書き綴る予定です。ブログ...

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