例年のことだが東京大賞典の裏でJRA勢のメンバーが手薄になった。ダートグレードのタイトルがあるのはキングスエンブレムとオースミイチバンだけというメンバーなら、金沢から遠征のナムラダイキチには大きなチャンスだ。白山大賞典ではニホンピロアワーズに差をつけられての2着だったが、そのニホンピロアワーズがその後にジャパンCダートを圧勝したことで、むしろこの2着は価値が高まることとなった。直線でエーシンモアオバーをとらえての2着というところでも実力を示している。金沢所属馬にはまだダート交流重賞のタイトルがないだけに、そういう意味でもここは大きなチャンスと言える。
地方騎手が騎乗する中央馬が多いなあと思ったら、この日は中央との同時開催。エーシンモアオバーは、重賞タイトルこそないものの、昨年のこのレース、そして前走浦和記念で2着。ともに鞍上は地元のトップジョッキーで、マイペースに持ち込んでうまく粘り込んだ。今回も昨年と同じ岡部誠騎手だけに、この馬がどんなペースで逃げるのかがレース全体のカギを握りそうだ。
トリップは、初ダートとなったジャパンダートダービーで2着に好走し、前走武蔵野Sでは7着だが勝ったイジゲンからそれほど差はなかった。日本ダービー、菊花賞にも出走しているだけに、距離適性はありそう。
キングスエンブレムはヴァーミリアンの弟として期待され、2010年にシリウスSを勝ったがその後の成績はいまひとつ。川崎記念7着以来の休み明けなのもどうか。
前走準オープンを勝ったクラシカルノヴァは、今回が重賞初挑戦で地方への遠征も初めて。500万クラスで小倉ダート2400mのレコード勝ちがあり、ダートの長距離には適性がありそう。
オースミイチバンは兵庫チャンピオンシップを制し、川島信二騎手にとっては母仔での重賞制覇となった。そうした思い入れもあるのだろう、中央との同日開催でもこの馬を選んだ。ただ秋に復帰しての古馬との対戦では結果を残せていない。
◎ナムラダイキチ
○エーシンモアオバー
▲トリップ
△キングスエンブレム
△クラシカルノヴァ
△オースミイチバン