帝王賞ヘ向け、JRA勢は豪華メンバーが揃った。5頭中3頭がGI(JpnI)勝ち馬で、ホッコータルマエはダートグレード3連勝中といよいよ本格化、さらには昨年のJBCスプリントで惜しくも2着だったセイクリムズン。
東京大賞典以来でどこまで仕上げているかだが、ローマンレジェンドを中心に。これまでダートでは11戦9勝。負けたのは、1000万条件のときの2着と、ミルコ・デムーロ騎手に乗り替わったジャパンCダートでの4着のみ。東京大賞典はワンダーアキュートに一旦は交わされながら差し返す勝負根性を見せた。まだまだ強くなりそうだ。鞍上の岩田騎手は今回この馬を選んだ。今回の出走馬で、ほかに岩田騎手主戦の馬がテスタマッタとセイクリムズン。そしてホッコータルマエは幸騎手が騎乗停止だったため、前走アンタレスSの鞍上は岩田騎手だった。岩田騎手は、ライバルとなるJRA勢のうち、エスポワールシチー以外のすべての馬の手の内を知っている。
相手には8歳のエスポワールシチー。ダートチャンピオンを争ってきた同世代のトップホースがほとんど引退したが、エスポワールシチーは昨年もかしわ記念、南部杯とJpnIを2勝と衰えを感じさせない。さらにそれをアピールしたのがフェブラリーSで、2番手から抜け出してあわやの2着。左回りのマイルはほんとうによく走る。もし勝てばかしわ記念4勝目。日本に同一GI(JpnI)を4勝という記録はあるんだろうか。
ホッコータルマエは、フェブラリーSが除外対象だったため佐賀記念にまわり、そこから名古屋大賞典、アンタレスSと3連勝。そのアンタレスSは、2キロ差があったとはいえニホンピロアワーズを競り落とした。確実に力をつけている。フェブラリーSを使えず、少しだが遠回りしたが、段階的に強い相手と戦って力をつけてきたという意味では、むしろよかったのではないか。
テスタマッタには戸崎圭太騎手が、セイクリムズンには内田博幸騎手が鞍上となるだけに、これも軽視するわけにはいかない。ともに全盛時ほどの力はどうかとも思われるが、両馬ともにフェブラリーSでは勝ち馬からそれほど離されていない。特にテスタマッタはワンダーアキュートに不利を受けての7着。タイム差ではわずかコンマ4秒。それがなければもう少し着順は上だったかもしれない。
JRA勢5頭はどれが勝っても、なるほどと納得するようなメンバー。対して地方勢は、実績最上位がナイキマドリードでは、このメンバーに入るといかにも厳しい。馬券対象に地方勢の出番はなさそうだ。
◎ローマンレジェンド
◯エスポワールシチー
▲ホッコータルマエ
△テスタマッタ
△セイクリムズン