ネオユニヴァース
◆スピード、スタミナ、パワーの3拍子に優れ、無類の勝負根性をもった王者 強くなってほしい。夢をかなえてほしい。その思いのたけを、馬主は馬名にこめる。だから歴史上の英雄、王や王妃、偉人、名選手、大自然、宇宙、天体などを連想させるスケールの大きな馬名が好まれる。
20世紀後半、世界中に血統革命をもたらしたノーザンダンサー。この「北の踊り子」から誕生した名種牡馬にニジンスキー、ヌレエフがいる。ロシアの伝説的なバレエダンサーからとったものだが、ともに偉大な足跡を残した。名は体を表す。馬名も同じだ。
しかし、名前負けする馬も多い。これは人の世も同じ。かと思えば、安易な名前の馬が出世したりする。だが、それがどんな馬名であれ、強くなれば王者の風格が漂う。
2000年、L'Arc〜en〜Cielの『NEO UNIVERSE』が大ヒットした。口紅のコマーシャルに使われた曲でもある。直訳すれば「新宇宙」。2年後の2002年11月、この曲名からとったネオユニヴァースという2歳馬が、京都競馬場でデビューした。
デビュー戦を勝利。2戦目こそ敗れたが、3戦目は順当勝ち。4戦目のきさらぎ賞で重賞に初挑戦することとなった。雨で馬場が悪化し、脚元がぬかるむ重馬場。それまで良馬場で走ってきたネオユニヴァースにとっては、未知の体験だった。
重馬場が得意な馬と、苦手な馬がいる。父のサンデーサイレンスはスピードと瞬発力を身上とし、良馬場で本領を発揮する血統だった。対する母系は、力のいる欧州競馬で育った血統。重馬場はこなすはずだったが、こればかりは走ってみなければわかわない。
だが、ネオユニヴァースはそんな不安をよそに、平然と勝利した。無類の道悪巧者ぶりを見せたのである。続く良馬場で行われたスプリングSも勝利。勢いに乗って牡馬クラシック第1弾、皐月賞も勝利して初のタイトルを手に入れた。
サクラプレジデントとの叩き合いを制し皐月賞のタイトルを手に入れた
そして迎えた牡馬クラシック第2弾、日本ダービー。重馬場だったが、道悪巧者ぶりはすでに証明している。確かに1番人気を裏切ることなく勝利して二冠を達成した。皐月賞は2着に0秒0差、日本ダービーは0秒1差。ごぼう抜きするとか、大差で勝つとか、派手な競馬で魅了する馬ではなかった。
しかしスピード、スタミナ、パワーの3拍子に優れ、どんな馬場にも対応できる万能性。馬群を怖れず、前をこじ開けてでも抜け出そうとする無類の勝負根性。どれもが素晴らしかった。
後年、父となったネオユニヴァースは孝行息子ヴィクトワールピサの活躍で、世界に名をはせることになる。世界最高の優勝賞金を誇るドバイワールドCで、日本馬が初めて勝つ歴史的快挙を成し遂げたのだ。
ヴィクトワールピサの万能性、相手なりに走る高性能エンジン、無類の勝負根性。明らかにネオユニヴァースが伝えたものだった。この勝利に勢いづいた日本は、次なる目標をフランス伝統の凱旋門賞に定め、遠征ラッシュが始まることとなる。日本にとって、それはまさに新宇宙への幕開けだった。(吉沢譲治)
◆レース詳細
2003年06月01日
第70回 東京優駿(GI) 東京/芝左2400m/天候:曇/芝:重
1着 ネオユニヴァース 牡3 57 M.デムーロ 2:28.5
2着 ゼンノロブロイ 牡3 57 横山典弘 1/2
3着 ザッツザプレンティ 牡3 57 安藤勝己 3/4
◆競走馬のプロフィール
ネオユニヴァース(牡3)
父:サンデーサイレンス
母:ポインテッドパス
騎 手:M.デムーロ
調教師:瀬戸口 勉(栗東)
馬 主:社台レースホース
生産牧場:社台ファーム
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