スマートフォン版へ

華麗な女王(ブエナビスタ【1】)

  • 2013年10月14日(月) 12時00分
ブエナビスタ

ブエナビスタ


◆新たな女傑の誕生
 女性の社会進出がめざましい。政界だけでも、イギリスのサッチャー首相、ドイツのメルケル首相、オーストラリアのギラード首相…、有名人の名が次々と浮かんでくる。サッチャー首相など、その男も顔負けの強硬な性格から、「鉄の女」の異名をとった。

 馬の世界も、このところ女傑の活躍が目立っている。事の始まりは2007年、牝馬による64年ぶりの日本ダービー制覇を成し遂げたウオッカだった。翌2008年、その女傑ウオッカの好敵手として立ちはだかったのも、牝馬のダイワスカーレットだ。

 その秋、またも女傑が誕生する。デビュー2戦目を勝ち上がり、続く2歳牝馬の最高峰レースである阪神ジュベナイルフィリーズを勝って、最優秀2歳牝馬に選ばれたブエナビスタだった。

 翌2009年の春、牝馬クラシック第1弾の桜花賞に出走すると、単勝1.2倍の断然1番人気。後方から進む展開となったが、少しもあわてず最後の直線勝負に。不利を承知で大外へ回し、そこからラストスパートをかけてゴール前、きっちりと差し切った。

 続く牝馬クラシック第2弾のオークス。ここまでの4連勝はすべて1600mの短距離で、2400mの長距離に不安がないわけではなかった。父のスペシャルウィークは同じ2400mの日本ダービーを勝っていたし、近親にも3000mの菊花賞を勝ったマンハッタンカフェがいた。だが、母ビワハイジの勝ち距離が1600mまでだったのである。

 それでも単勝は1.4倍。またも圧倒的1番人気に支持された。多くのファンがその強さに脱帽し、勝てると信じたのだ。

 桜花賞と同じくオークスも、ブエナビスタは後方に位置し、最後の末脚勝負にかける戦法に出た。東京コースはゴールまでの直線が長く、走路の幅も広い。ただ、だからといって油断すると、前を行く馬に楽をさせて追い込んでも届かない。前の馬たちが壁になり、なかなか抜け出せないこともある。

 ブエナビスタも最後の直線で、その壁が次々と待ち構えていた。思うように抜け出せない。やっと進路が開けたのはゴール手前。先に抜け出したレッドディザイアが、そのまま勝とうとしていた。

 だが、ブエナビスタはそこからがすごかった。怒涛の末脚を繰り出し、ゴール寸前でハナ差とらえて牝馬クラシック二冠を達成したのである。

笑顔の安藤勝己騎手

笑顔を見せる安藤勝己騎手


 しかし、これはブエナビスタ物語のまだまだ序章に過ぎなかった。

 翌2010年、4歳になったブエナビスタは海外遠征のドバイシーマクラシックで、強豪の牡馬を相手に微差2着に健闘。日本でも牡馬を退けて秋の天皇賞を勝ち、ついには年度代表馬の勲章まで手にした。

 ブエナビスタ。その馬名の由来はスペイン語で、「素晴らしい景色」を意味する。牡馬をなぎ倒して最高峰に立った女傑ブエナビスタ。眼下に広がる雲海や日の出は、さぞかし絶景だったに違いない。(吉沢譲治)


◆レース詳細
2009年05月24日
第70回 優駿牝馬(GI) 東京/芝左 2400m/天候:晴/芝:良

1着 ブエナビスタ    牝3 55  安藤勝己 2:26.1
2着 レッドディザイア  牝3 55  四位洋文 ハナ
3着 ジェルミナル    牝3 55  福永祐一 3

◆競走馬のプロフィール
ブエナビスタ(牝3)
父:スペシャルウィーク
母:ビワハイジ
騎 手:安藤勝己
調教師:松田 博資(栗東)
馬 主:サンデーレーシング
生産牧場:ノーザンファーム

パズダビ近日リリース!

パズルダービーリリース!

パズルダービー9月28日リリース!
 爽快!競馬パズルゲーム「パズルダービー」を9月28日(土)にリリースいたしました!

「パズルダービー」はマッチ3形式(同じ色を3つ揃えるブロック消し)のパズルと競馬が融合し、伝説の名馬のシナリオに挑戦する競馬パズルゲームです。レースでは、ディープインパクトやオルフェーヴルなど名馬のシナリオを完全再現。競馬ファンなら感動再び、競馬を知らない方はパズルを楽しみながら、競馬の魅力を知っていただけます。

 登場する名馬は700頭以上。また、週末に開催される中央競馬とのリアル連動イベントや各種キャンペーンも満載です。この機会に是非お楽しみください!

「嗚呼、愛しき名馬たち〜netkeiba 名馬列伝〜」では、記録と記憶に残る伝説の名馬の足跡をプレイバック。名馬たちが繰り広げた伝説の数々が蘇ります!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング