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勝つためなら、どんな努力も惜しくない〜川須栄彦騎手編(5)

  • 2013年10月30日(水) 18時00分
4回にわたってお届けしてきた川須騎手インタビューも、いよいよ最終回です。「勝つため、上に行くためなら、どんな努力も惜しくない」と、日々の調教やトレーニングに励んでいる川須騎手。仕事に対する独特のスタンスを語りつつ、冷静に、そしてポジティヴに、現在の“川須栄彦”を語ってくれました。
(取材・文/不破由妃子)

■心のなかは、いつもメラメラ燃えてます!

──再びリーディング上位に浮上するために、「今何をするべきか、何が足りないのか考えている」とおっしゃっていましたが、具体的に新たな取り組みを模索している状況ですか?

川須 いえ、新しい何かというわけではなく、今やれることのなかで精一杯やるだけです。レースはもちろんですが、たとえば普段の調教から1頭1頭、より深く考えてコンタクトを取っていこうと思っています。僕は、最初のきっかけとして、馬そのものや馬乗りが好きで騎手になったわけではないんですが、そのぶん仕事を楽しみたいと思っています。僕にとって、この仕事を楽しむために必要なのは、なにより勝つことですからね。だから、勝つため、上に行くためなら、どんな努力も惜しくはありません。

上に行くためなら、どんな努力も惜しくはありません

上に行くためなら、どんな努力も惜しくはありません


──なるほど。きっかけは人ぞれぞれですからね。とはいえ、馬が好き、馬に乗ることが好きでジョッキーになった人が多いなか、川須くんは競馬のどんなところに魅力を感じてジョッキーを目指したんですか?

川須 僕は、プロのスポーツ選手になりたかったんです。子供のころからずっと負けず嫌いだったこともあって、勝負の世界に行きたかった。そんなときに、父親が『競馬の騎手っていう職業があるよ』って教えてくれて。実際にジョッキーという仕事に就くことができて、すごくやり甲斐を感じています。

──どんな努力も惜しくないとおっしゃっていましたが、実際、トレーニングなども、人一倍頑張っているそうですね。ほかのジョッキーの方からよく聞きますよ。

川須 本音を言えば、トレーニングは好きではないです。でも、チャンスをいただいている以上、ひとつでも多く勝ちたいし、そのためにできることに関しては、手を抜きたくない。もちろん、トレーニングがすべてではないですけどね。

──ジョッキーという“仕事”について、すごく割り切ってるんですね。

川須 そうかもしれませんね。とはいっても、決してお金のために仕事をしているわけではないですよ。頑張ったら頑張ったぶんだけ、いろんな形で自分に返ってくるという意味で、すごくやり甲斐を感じているんです。たくさん勝つことができれば目立てる、目立てればいい馬が回ってくる、そこで勝てればさらにいい馬が回ってくる…という流れを一度経験させていただいているので、なんとかまたその流れに乗ることが今のやり甲斐ですね。

──アップダウンがあったとはいえ、まだ4年目ですものね。

川須 そう、まだ4年目なんです。だから、こんなところで壁を感じてちゃいけないんです。本当の挫折を味わったことがあるのか、と聞かれれば、“ない”というのが正解ですからね。自分は恵まれているほうだと思いますし、その環境にきちんと感謝して、もっともっと頑張らなくちゃいけないと思っています。

──現在の自分の立場や環境を、ものすごく冷静に見てらっしゃるんですね。その上で、今自分ができること、やるべきことは何かもよくわかっている。

川須 そうですね。馬乗りって、やっぱりセンスの有無も大きいと思うんですよね。その点、僕は決してセンスがあるほうではないので、人並みの努力では全然足りないんです。人よりもっともっと努力をしないと、上には行けないので。でも、さっきも言いましたが、上に行くためなら、どんな努力も惜しくない。それをつらいとも苦しいとも思いません。

──芯が強いし、すごくポジティヴ。これまで、『キシュトーーク!』のなかでは完全に天然キャラだった川須くんですが、ちょっと印象が変わりました。

川須 僕はすごくポジティヴです! 最近の成績に関しては、エージェントの方がむしろ心配しているくらい。で、僕が「大丈夫ですよ〜!」って励ますみたいな(笑)。でも、心配されてしまうなんて、情けない限りです。でも、それが現時点での自分なんだなって。認めるところは認めないとと思っています。あとは、上を目指すのみです!

──では、最後にファンに向けてメッセージをお願いします。

川須 はい。とりあえず、今年後半戦で流れに乗って、いい流れのまま2014年のスタートを切れるように頑張ります。2年目の“91勝”という数字にはもうとらわれず、本当に1からのつもりで。もう心のなかはメラメラですよ(笑)。でも、闘志はグッと内に秘めて、これからも笑顔で頑張ります!

これからも笑顔で頑張ります!

これからも笑顔で頑張ります!


【次回のキシュトーーク!は?】
 「現在の通算勝利数は?」から始まり、「もっとも勝率のいいコースは?」「2番目に数多く乗っている馬は?」などなど、松山弘平騎手が“自分検定”にチャレンジ! はたして彼は、どれだけジョッキー・松山弘平を知っているのか? お楽しみに!

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

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