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ジョッキーが語る「数字の裏側」〜国分恭介騎手編[第2回]

  • 2014年03月12日(水) 18時00分


国分恭介


国分恭介騎手が語る“数字の裏側”第2回。今回のお題は、競走馬別騎乗回数と馬番別成績です。1頭の馬に数多く乗ることのメリットや、枠順と脚質の組み合わせによる有利不利など、数字の裏側にあるジョッキーの心理に迫ります!(取材・文/不破由妃子)


■次も乗りたいと思っても、ゴリゴリはいけない…(苦笑)

──引き続き、あらゆるデータから“ジョッキー・国分恭介”に迫っていきたいと思いますが、デビューから先週(2月16日終了時点)までで、一番数多く騎乗している馬はわかりますか?

恭介 ブライトポジーじゃないですか?

──ん〜、ブライトポジーは13回騎乗で7位です。1位の馬には25回騎乗して2勝しています。ヒントはダートの追い込み馬。

国分恭介騎手競走馬別騎乗回数

国分恭介騎手・競走馬別騎乗回数


恭介 ……全然思い浮かばないですねぇ。

──答えはコウユーヒーローです。

恭介 ああ! 確かにものすごく乗せていただいていますね。

──1頭の馬にずっと乗り続けることのメリット、デメリットはどう思われますか?

恭介 デメリットはないと思います。メリットは、その馬のそのときどきの調子がわかること。その調子によって、どういう競馬をするべきかを考えられますから。たとえば、レース中でも“ここで無理をしたらもたないかなぁ"とか、ある程度判断することができます。

──ある調教師さんが乗り替わりについて「一度レースで掛かってしまうと、そのイメージがジョッキーについてしまって、次も掛かるんじゃないかっていうイメージで乗ってしまう。そういうときは乗り替わりが有効だ」とおっしゃっていたんですが、やはり一度掛かると、そのイメージを引きずってしまうものですか?

恭介 ん〜、本当に乗りこなせない馬については、乗り替わったほうがいいと思いますが、ジョッキーも毎回毎回、どうしたら掛からないかを研究すると思うし、毎回、同じレースをするわけではありませんからね。もちろん、そのジョッキーよりもうまく乗りこなせるジョッキーがいるなら、馬のためには乗り替わったほうがいいと思いますけどね。

──1頭の馬に乗り続けることがなかなか難しい時代ではありますが、馬のためにも、ジョッキーのためにも、やはりそのほうがメリットは大きいですよね。ちなみに、恭介騎手は、「次も乗りたいです!」アピールはしますか?

恭介 もちろんします! でも、次も乗りたいと思うということは、チャンスがある馬ですから、周りもそれをわかっているわけで…。僕の場合、なかなか難しいところです。それに、陣営が期待している馬ほど、結果が出せなければすぐ乗り替わりというのが当たり前というか。乗りたいという意思表示はしますけど、思うようにはなかなかいかないですね。

──恭介騎手は、陣営に対してゴリゴリ積極的にいくタイプですか? それとも控え目にアピールするほう?

恭介 どちらかというと控え目かな。ゴリゴリはいけないです(苦笑)。

──続いては、馬番別成績ですが、ご自分でいいイメージを持っている馬番はありますか?

恭介 大外…かな。

国分恭介騎手・馬番別成績

国分恭介騎手・馬番別成績


──一番連対率がいいのは2番です。

恭介 そうなんですね。じゃあこれからは全部2番に入りたいです(笑)。

──ちなみに、恭介騎手が挙げた大外は、一番連対率が低いのですが…。

恭介 えっ!? 僕、自分のことまったくわかってませんね(苦笑)。大外って、ゲートが出しやすいんですよ。最後に入るから待たされる時間も少ないですし、大抵の馬はいいスタートを切ってくれるんですよ。

僕、自分のことまったくわかってませんね

僕、自分のことまったくわかってませんね


──なるほど。ちなみに、外目の枠にいくに連れて、徐々に連対率が下がっている傾向です。まぁ恭介騎手に限らず、外枠は単純にコースロスなどがありますからね。

恭介 そうかぁ…。外のほうがスタートがいいイメージがあるんですけどねぇ。逃げ馬だったら、内枠か大外がいいですね。ほとんど出遅れることがないので。

──じゃあ、恭介くんが逃げ馬で大外に入ったら注目ですね。馬の脚質にもよると思いますが、枠順による有利不利が大きいと思うコースはどこですか?

恭介 小回りの1200mの大外はキツイなと思うことはありますね。小倉とか。あと、小回りではないですが、中京の芝1400mはスタートから最初のコーナーまでが短いので、やっぱり外枠はきびしいですね。もちろん、外のほうが馬場がいいときなどは、外枠のほうがいいですけどね。

──馬の脚質と枠順を合わせて、一番嫌な組み合わせというと?

恭介 好位や中団から行くタイプの馬で、ダート1800mの大外枠に入ってしまったときはちょっと…。出していったところで、どうしても内の馬にかなわないんですよね。そうすると、必然的に外を回ることになったり、後手を踏んだり。逃げ馬だったら全然問題ないんですけどね。

【次回のキシュトーーク! は?】
国分恭介騎手が語る“数字の裏側"第3回。次回は人気別成績と競馬場別成績を中心に、ジョッキー心理を掘り下げます。シンガリ人気で大激走したキングトップガンの裏話も!

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

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