「豪州遠征」ハナズゴール前哨戦の心配事/トレセン発秘話
◆加藤士津八助手「コンディションを崩すことなく順調にきました」
当欄のタイトルにはふさわしくないのかもしれないが、今回は海外遠征中のハナズゴールについて少々記してみたい。
同馬は現在、オーストラリア・シドニー近郊のランドウィック競馬場(ジョン・シェアー厩舎)で、今週土曜(22日)に行われるG1クールモアクラシック(ローズヒルガーデンズ競馬場・芝1500メートル(牝))に向けて調整中。最大目標は次走に予定する世界最高賞金(2億7000万円)のマイル戦=G1ドンカスターマイルHだが…。1着賞金6000万円足らずの前哨戦にも帯同する加藤士津八助手が「それなりの勝負を」と力が入るのには、今年からある規定が変更されたことが関係する。
実は昨年までJRAからは海外遠征の補助金が支給されていたが、今年になってそれが廃止。個人オーナーにとって海外は非常にリスキーなものに姿を変えた。前哨戦でも試走に徹するわけにはいかず、遠征費を稼ぐ必要性も生じてきたのだ。さて、気になるハナズゴールの皮算用だが…。
「日本と気候が逆のオーストラリアでは、まず暑さ対策を心配したんですけどね。むしろ朝はジャンパーを羽織らないと寒いほど。コンディションを崩すことなく順調にきました。ここまで困ったこと? マックのハンバーガーをセットで頼もうとして通じなかったことくらい。こっちではセットと言わずバリューミールと言うんですよ。覚えてくださいね(笑い)」
国際電話からシヅヤのこんなジョークが聞けるくらいだから、体調は問題ないのだろう。それでも気になることがひとつあるらしい。
「今回は54.5キロのハンデが課せられているのですが、現時点でトップハンデ(59キロ)の馬が回避するという説があって…。この馬がやめるとハンデが1.5キロ重くなるらしいんです。こちらの芝の草丈は短いのですが、水はけが悪くてひと雨くると重くなる。その意味でハンデは重要な要素になりそうなんです」
ちなみにオーストラリアの天気は不安定。「晴れ時々曇り時々雨」などという予報もザラらしい。まずはハンデ頭が回避しないこと、さらに好天で当日を迎えること。その2点を願いつつ、遠く離れた日本で“飲み友”の健闘を祈りたい。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)