スマートフォン版へ

【キシュトーーク!特別企画】シュタルケ騎手をゲストに迎えてのスペシャル対談![第4回]

  • 2014年04月23日(水) 18時00分
シュタルケ騎手


川須騎手も高倉騎手も、いつかは長期で行ってみたいという海外遠征。フランスに興味があるという高倉騎手ですが、世界を舞台にした日本馬の活躍により、日本人に反感を抱いている関係者もいるとか…。世界の競馬を知り尽くしたシュタルケ騎手が、フランス競馬のハードルの高さを明かします。
(取材・文/不破由妃子)

■フランスでの馬集めは僕でも難しい…

──ドイツでは検量の1分前までに来ればOKで、遅刻による乗り替わりも珍しくないとのことですが、そこまでフリーだと前日から調整ルームに缶詰になるという日本のシステムは、窮屈に感じるのでは?

シュタルケ いいえ、翌日のレースに集中できるので、むしろいいシステムだと思います。自宅にいたら、電話が掛かってきたり、子どもの世話をしたり、どうしてもいろいろやることが出てきてしまうので。その点、日本の調整ルームは、サウナなどの設備も整っているし、集中力を高められるのはもちろん、時間に余裕を持って競馬に臨めるからね。

川須 競馬場の敷地内に泊まっているわけだから、遅刻しようがありませんものね(笑)。

シュタルケ そうそう。日本の競馬は、必ず朝10時から始まるでしょう。だから、どこにいても必ず10時までに来いっていうほうが酷な話で(笑)。僕からすれば、調整ルームは、JRAの支払いでホテルに泊まっているようなイメージだね(笑)。ところでふたりは、海外で乗ってみたいという気持ちはないの?

高倉 僕は一度、オーストラリアで乗ったことがあるんですけど(2011年アジアヤングガンズチャレンジの日本代表として)、そのときは1日だけだったので、一度は長期で行ってみたいです。

高倉

高倉「一度は長期で(海外に)行ってみたいです」



川須 僕もチャンスがあれば、もちろん行ってみたいです。ただ…まだまだ先かな。

高倉 僕も具体的に“いつ”というわけではなく、騎手をやっている間に一度は行ってみたいなぁと。行くとしたら…やっぱりフランスに行ってみたいかな。

シュタルケ フランスかぁ。ここ数年、日本の馬が凱旋門賞にもガンガン来ていて、いい成績を残しているでしょ? だから、日本人自体、あまり好かれていないところはあるよね。もちろん、全員が全員、そうではないよ。僕がフランスに行っても、自分の厩舎とか知っているオーナーの助けがなければ、馬は集まらないと思うし。

高倉 やっぱりハードルが高いんですね。

川須 すぐに帰りたくなりそう…(苦笑)。

シュタルケ やっぱりフランスでの馬集めは難しいよ。賞金は高くないけど、ドイツならフランスよりは乗れると思うよ。でも、フランスに比べたら、賞金もレースレベルも少し落ちるので、あんまりおもしろくないかもしれないけどね。

高倉 若いうちに海外に出て、いろいろ経験することは大事だと思いますか?

シュタルケ そうだね。僕が若手にオススメするのは、ひとつの国に長期で行くよりも、一度の出国で1、2カ月ずつ、いろんな国を回ること。ひとつの国に長くいると、馬が集まらないことなどでストレスが溜まったりするから、そこは割り切ってポンポンと何カ国かを回ったほうが、短期間でいろんな経験ができるはずだから。

シュタルケ

シュタルケ「ポンポンと何カ国かを回ったほうが、短期間でいろんな経験ができるはずだから」



川須 たとえば、僕たちがドイツに行ったら助けてくれますか?

シュタルケ もちろん、馬を集めてあげるよ。ただ、何度も言うけど、賞金は低いよ。その代わり、レースの1分前にくればOKだよ(笑)。

川須 今、日本の賞金が高いからいえるのかもしれませんけど、僕が海外に行くとしたら、その目的は賞金ではないですからね。アンドレが“日本の競馬レベルは上がっている”と言ってくれたように、おそらく、日本にいても技術向上のための経験はたくさん詰めると思いますから。

高倉 日本にも一流ジョッキーがたくさんいることに加え、海外の一流ジョッキーもたくさん乗りにきていますしね。

川須 そうそう。ただ、いろんな国の競馬や文化に身を持って触れること自体に意味があると思う。経験したことのないことを経験することで、そこから学べることはたくさんあると思うから。

川須

川須「経験したことのないことを経験することで、そこから学べることはたくさんあると思うから」



高倉 僕もそう思います。騎乗技術でいうなら、デビューしてから外国人ジョッキーが一緒に乗っているのが当たり前の状況なので、レース中、どういう動きをしているのかとか、勉強させてもらってますからね。

川須 僕らの場合、1年を通してそれが(外国人ジョッキーと一緒に乗ることが)普通になっていますからね。レース中、外国人ジョッキーやリーディング上位の先輩が隣にいたりすると、細かいところまでガン見してますから(笑)。

【次回のキシュトーーク! は?】
勝負どころでは、声を出して自分の居場所をアピールするというジョッキーたち。その際、外国人ジョッキーはいったい何て叫ぶ!? そんな素朴な話題から、外国人ジョッキーの通年免許制度について、さらには今後の夢やポリシーまで、川須騎手と高倉騎手のがシュタルケ騎手の胸の内に迫ります!

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング